ラベル 映画・アニメ感想 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 映画・アニメ感想 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年8月14日木曜日

タイトルは硬めだけど面白いよ「我ら〜愛の継承〜」

インド映画は「身内ネタ」が多いと感じます。
映画内で映画を観るシーンが多いし、映画のセリフやタイトルが引用されるシーンが多い。
加えて、祖父の代から俳優一家、みたいなご家族が多いので、本当に「家族」という単位での身内ネタが登場するんですよ。
突然モノクロのおじさんが映ったぞ、と思ったら主演の祖父(故人)だった。とか。

深みにはまればはまるほど、その身内ネタが効いてくる半面、内情をよく知らないと刺さるスポットを逃してしまうので、楽しさの一つであると同時にデメリットもあるな。と思っております。

今回観に行ったのはその身内が極まった映画「我ら~愛の継承~」
祖父、父、息子の3人が主演、ダンスの振り付け母、ファミリーが制作というなかなか身内で固められた映画です。

6歳の時に交通事故で両親を亡くしたビットゥはある日、死んだ父親そっくりの若い男に遭遇。
彼は父の生まれ変わりだと信じていると、母にそっくりな女性とも遭遇して
この二人を今世でも結婚させようと画策。

時を同じくしてビットゥを死んだ父の生まれ変わりだと信じる80歳の老人が現れ…

と、輪廻転生の入れ子状態。
インド、わりと親には服従みたいなところもあり…この映画では幼くして親を亡くしているので余計に”親”がやる事に甘い。
ビットゥも老人も相手に「死んだ父の生まれ変わり」とは言わないので、そのあたりの事情を知るのが神目線の視聴者のみというのもユニークポイントだったりします。
でもそれも、やりたかった親孝行を今やっとできているとか、長年ずっと甘えたかったんだろうなと思うと涙も誘う…
こういうエモさの見せ方、インド映画は上手いと思うんですよね。

一部、家族ネタを知らないと楽しめない所があったのが残念なものの
暴力なし、ハートフルなインド映画を久々に浴びられて私は満足です。

ただねぇ、映画はあまり人が入っていなかった…
タイトルロゴがちょっと奥ゆかしい感じなんでしょうかね。
予告編も滔々と愛を語っているので、アカデミックな映画みたいな雰囲気が漂ってるんですよね。
内容、もうちょっとポップですよ。と言いたい気がする。
というか、もっと非暴力インド映画盛り上がって欲しいんですわ。

2025年7月26日土曜日

人生の「光」ってなんだろね?「私たちが光と想うすべて」

日常が淡々と描かれている物語はどうにもちょっと苦手で
この映画も苦手な部類だろうなと思いつつも、インド映画なので観に行ってきました。
第77回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品「私たちが光と想うすべて」

夫に先立たれ、家を失いそうな女性パルバティ
結婚後すぐ夫が単身赴任に行き最近は夫と連絡がとれていない女性プラバ
イスラム教徒の彼氏がいるヒンドゥー教徒の女性アヌ
この3人の女性とムンバイを中心に淡々と日常を描いていく物語です。

女性の苦しみや生きづらさ…みたいな話もありますが、悪役が出てきて彼女たちを虐げるような展開は無し。
私なんか「アヌの彼氏絶対裏切る!」と思って観てましたが出てくる人はたいがい良い人でした。
ごめんよシアーズ(アヌの彼氏)

で、改めて「光」って何なんでしょうね、ですよ。
淡々と進んでいく映画の中で、主人公たちは一体何を「光と想」ったんだい?
まあ光と想うすべて、と言っている以上映画の中に登場するすべてが光だったのだとは思いますが
個人的には人生に区切りをつけること、
決意とかけじめとか。
現状をなぁなぁで生きていくのではなく、受け入れる・変えていく事の素敵さが鮮やかに表現された映画だったなぁと思います。

それは別に大きな変化を起こすわけじゃなくて、自分の気持の区切りなんですよね。
その先には当然、家族からの批判とか周囲からの余計な”アドバイス”とかが襲いかかるはずですが
映画ではそこまでは出てこないんですよ、そりゃ綺麗に終わりますよねーこのあと絶対バトルですよねー…という気も。
ただ、主人公ズの気持ちはもう固まってしまっているので、説得とかアドバイスを装った何かに惑わされる事は無いのだろうな。

気持ちに区切りをつけただけで現実は甘くしてはくれないけれど
ちょっとずつ変わってるんだよね、というのが、年代の違う3人の女性を通してわかっていくのも素敵でした。

私の時はそんな事許されなかったのに!とか、古くなった常識を持ち出して非常識だ!とか、言ってくれるなよ?と言われたような気がします。

2025年7月12日土曜日

設定重めのコメディヒーロー「マーヴィーラン」感想

スコセッシ監督が言うには、スーパーヒーロー映画はテーマパークだそうで。
文芸映画のほうが偉いかという話は別として、テーマパーク的だという点には私も同意というか
むしろ娯楽が欲しくて観るんですよそれの何が悪いの、と思ってます。
だいたいにおいて、勧善懲悪ハッピーエンド、メンタルが弱っている時にも観れる、いや弱っている時こそ観たい。スカッとさせてほしい。

そういうのを期待して、広告物もわりとポップっぽかったのに
結構重い内容で驚いているのが今週の映画「マーヴィーラン 伝説の勇者」ですよ。

主人公は漫画家…だけど名義を他人に書き換えられているゴーストライター、
スラムに住んでいたけれど再開発で追い出され、代わりに与えられた家は欠陥住宅。
徹底的に波風を立てたくない主人公は家族にも呆れられ、人生なかなかのどん底に。

これからヒーローになって今の状況を跳ね返すためのどん底なんでしょう?
ねぇ?そうでしょう?
そうじゃないとやってられないですよっていうくらいしんどい。

父は死に、コネも貯金も力も無く、仕事と、本来は守ってくれるはずの政府からも搾取されて
一昔前に言われていた「負け組」が進んだ先のどうにもならなさを見せつけられるのは結構メンタルに来ます。

最近は知りませんが、私が20代の頃、衝突しない・反論しない事こそ「大人の対応」と言われたものです。
この映画では、そんな「大人の対応」を続けても、搾取する側にとって都合のいい存在にしかならない状況です。
まぁ私、今の日本でもわりとそう思ってますけどね。

そんなどん底の主人公に、突如聞こえだす漫画のモノローグ。
そしてその通りに動かされる主人公。
天の声実況系スーパーヒーロー!?

…なのですが。
公式サイトにある印南先生の感想がまさにドンピシャなのですが
この主人公、ヒーローになってからも暴力を振るいたいわけではないんですよね。
時に従い、時に天の声を無視する様子は、かの名作ゲーム「The Stanley Parable」を思い出させます。

個人的には、気を抜いて鑑賞できる娯楽映画…というよりは
もう少し政治的でもう少し哲学っていうか、
映画の中ではボコスカ殴って力こそパワーで終了できる問題だけど、現実はそうじゃないよね、じゃあどうやって戦えば良いんだろうね。
というあたりも含めて、ほんのりビターな味わいの映画だなという気がしました。

2025年6月21日土曜日

『レオ:ブラッディ・スウィート』を観てきた

今月は週末ずっとインド映画を見ている気がする…
本日も行ってまいりました。

前にも書きましたが説教する作品があまり好きではないです。
で、インドの俳優ヴィジャイ氏が、すごく説教系映画上手なんですよ。
「サルカール」とか、すごく面白いんですけどね。

しかし私ピンと来ました。今作は説教無さそうだぞ。と。
というわけで、ヴィジャイ主演の『レオ:ブラッディ・スウィート』です。



何と言ってもヴィジャイのビジュアルがいつもと違う。
中学生?くらいの子どもが居る設定になっており、40代手前くらいなのかな?
ヴィジャイ氏、年上を演じているのかーわっはっは。
……と、思っていたら、ヴィジャイは今年で50歳らしくてぶっ飛びました。
てっきり30代かと。肌つやつやすぎるだろ!!

映画のほうですが、なぜか喧嘩がバチボコに強くて、なぜか銃の腕前が一級のごく普通の一般カフェオーナー、パールティバンが、「レオ」という男と瓜二つらしい。
この「レオ」は訳ありで、怪しげな人達から狙われており
パールティバンはその怪しげな人達から「お前はレオだな」と付け狙われる事に。

ちょっと喧嘩がバチボコに強くて、銃が上手で、「レオ」に似ているからってこんな仕打ち……
と、嘆くわけですが、
どう見ても只者じゃなさげで、パールティバンは本当にただの一般カフェオーナーなの?という点も見逃せないところです。

そして説教なし!
むしろ「レオじゃないことを信じてくれないなんて…」と弱々しく嘆くヴィジャイが見れるの結構レアな気がしますがどうなんでしょうか。

ミステリ…と言っていいかは微妙かもしれませんが、「レオ」とは一体誰なのか、パールティバンを「レオ」と呼ぶのは何故か?という謎を引きずりつつ
ヴィジャイのアクションが見れる良作でした。


2025年5月31日土曜日

今だからこそ『バジュランギおじさんと、小さな迷子』

ジブリでもディズニーでも、最初に出会った作品の衝撃って大きいものですよね。
私がインド映画で衝撃を受けたのは「きっと、うまくいく」という作品でして
これがなかなかハートフルなヒューマンドラマでして
私にとってのインド映画の原点=ヒューマンドラマ、と言っても過言ではない…いやちょっと言い過ぎかもしれないけど、やや過言ではないんですよ。

しかもインドのヒューマンドラマってハリウッドとはちょっと違っていて、良くも悪くも人間同士の距離が近い。
男性主人公にわりとお友達がセットだし、ヒーローも家族ぐるみでやるし

そんな人間の近さを最も感じられる作品のひとつだと思うのが、2019年に上映されたインド映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』です。

これが今、リバイバル上映されております。あるいはNetflixで見れます。


なぜ今かというと、嘘がつけないバジュランギおじさんが、喋ることができないパキスタンの少女を家まで送り届ける、印パ友好映画だからなんですね。
世界が色々忙しくて、もはや「少し前の話題」感すらありますが…

少女を守りたいという本当にささやかな願いを、嘘をつかず誠実にひたむきに叶えようとするバジュランギおじさんの姿が感動しない訳が無いんですよ。
もちろんおじさん一人がどうにかできる話ではなく、いろいろな人がおじさんの誠意に絆されて協力してくれたりするので
「人間、あったけぇな……(涙)」と思えるような映画です。

インド映画なので長尺ではあるんですが、人生に疲れた時に見たい映画の類なので
最近心がチクチクしている人とか忙しくて何かを失ってる人には特におすすめさせていただきたいです。

と、同時に、最近日本にやってくるインド映画にこういうハートフルなものが少ないんですよ!
ちょっと最近の来日インド映画、暴力に偏ってません?
昔もうちょっとドラマ多かった気がしますよ。
まあ「バーフバリ」「RRR」と、アクションが楽しい映画のヒットが続いているので、その流れのひとつなのかもしれませんが。

何事もバランスだと思っているので、個人的にそろそろハートフルドラマにご登場いただきたいです。




2025年5月3日土曜日

『政党大会 陰謀のタイムループ』を見に行ってきた

暦通りの休みなので、今年のゴールデンウィークは大して休めません。
まあ予定も無いので良いんですけどね。
というわけで初日はインド映画、『政党大会 陰謀のタイムループ』を見に行ってきました。

「ループもの」は、ループする人が記憶と人的スキルを持ったまま過去に戻れるので、異世界に転生してチートする話とちょっと似てるなと思っているのですが
もし、記憶とスキルを持ったまま過去に戻っているのが、自分だけでは無かったら…?
敵も同じ状態だったら、どうなるのか?ですよ。どうなっちゃうの。

というわけで、州首相の暗殺事件に巻き込まれた主人公カーリクは、命を落とすとその日の朝に戻ってしまう。
事件の主犯はなんと警察。
最初は自分だけが引き継いでいる”前回の”情報を元に、なんとか事件を阻止しようとするカーリクですが、なぜか警察官も記憶を引き継いで一緒にループすることに。

警察官もループのきっかけがカーリクの落命だと気がついてからは
主人公なのになんとかして死にたいカーリクと、敵対しているのに絶対に命を助けたい警察官という構図になって、緊迫感の中にもクスリと笑える部分も。

というか、主人公のライバルとなる警察官を演じているのがS・J・スーリヤーという俳優なのですが
このかたが良い演技するんですよ。
「助演S・J・スーリヤー」と聞いただけで映画が2割増で面白くなるくらいには良い。
特に今回の警察官のような、最初はクールだけど徐々に狂気がむき出しになっていくタイプのヴィランやらせたら最高だと、個人的には思うんですよね。

双方が記憶を持っていることで、周囲からおかしな奴だと思われつつ、いかに相手をだしぬくかの戦いが面白いですね。

2025年4月12日土曜日

『RRR ビハインド&ビヨンド』観に行ってきた

いやぁ、『RRR』は良い映画ですね。今回、その『RRR』のメイキング集も映画になったんですよ。
もちろん見に行ってきました。
『RRR ビハインド&ビヨンド』です。


2週間限定公開とのこと。

本編映像も交えながら、あのシーンどうやって撮影したの?
あれはどういう意味があるの?どう思って演技したの?といったことを、スタッフ・俳優が語る映像になっておりました。

メイキングなのに面白いし、『RRR』好きなら絶対楽しいやつですよこれ。

『RRR』といえばケレン味あふれるアクションが話題でしたが
ただカッコいいとか、斬新とか、見た目にこだわっているだけでなく
そのアクションにどういう意味があるのか、という点がしっかり解説されていたのとか、映画の解釈が変わりそうな事もおっしゃってましたね。
映画を作る側の人にとっては当たり前なのかもしれませんが、私のように一生観る側だと気が付かないことも多いなぁと思う次第です。

個人的には、ビームとラーマの一体感、というか、一心同体であるところの強調が心に残りましたね。
例の肩車、ハチャメチャに熱いシーンではあるのですが、私としては「2人で戦ったほうが戦力が上なのでは?」という気が、どうにもしてたんですよ。
信頼できる二人が背中を預けて戦うとか、最高のシチュエーションじゃないです?とかね。

でもそうではなく、あれは「身長3m、腕が4本の英雄(シヴァ神)である」と聞いて
己の考えの浅はかさを知りましたね。
信頼できる二人じゃなかった。一人だった。
ちなみにシヴァ神モチーフである旨は、ツイン(『RRR』の配給会社)の公式動画のコメントに、2年前から付いてました。
ナートゥもシヴァ神のポーズ、そういえば。

やはりインド知識を増やしたほうがインド映画は楽しめますね。
中二病に罹患していた時期に一生懸命天使の階級とか覚えていたタイプの人間なのですが
今度はこの年にしてインドの神様頑張って覚えないといけなそうです。

2025年3月29日土曜日

インドのサメ映画?「デーヴァラ」を観てきた

世の中に「サメ映画」なる一大ジャンルがあることは存じ上げておりました。
私はほぼインド映画専門ですし、観たことは無いんですけどね。
ただ話を聞く限りかなり楽しそうなジャンルで、サメは生物としての限界を超越し、設定は他に類を見ないほど斬新で、制作側の懐事情が伺える場合があるらしいとか。

そんなサメ映画とインド映画が組み合わさったら面白そうじゃないですか?
そんな夢のような映画がついに登場するんですね。
と、思って観てきたのが「デーヴァラ」です。



「RRR」のNTR.Jr主演。火葬の国インドのゾンビ映画「インド・オブ・ザ・デッド」のサイフ・アリー・カーンも登場。
しかしサメは思ったほど登場せずでして
サメ映画にカウントできるほどじゃないかな…と、思っていたのですが
なんでも、「1秒でもサメが出ていればサメ映画」「サメが登場しないサメ映画もある」などの情報を得まして
サメ映画界隈の懐の広さ…あるいは忍耐強さ、すげーな。と思っております。
その基準ならサメ映画だわ。

しかしnotサメ映画民の目線では、「ああ、インド映画だな」という感じでした。
登場人物が多いのに加えて時間経過で子役→大人とキャストが変わるので、人物把握がかなり大変。
2人くらい「息子だと思って育ててきた」と言われているんですが元々どこん家の子だったっけ?という感じです。大筋では問題無かったけど把握できたらより楽しいんだろうな。

海賊のようなことで生計を立てていた村にある事件が起こり
足を洗いたいデーヴァラ(NTR.Jr)と、海賊を続けたいバイラ(サイフ・アリー・カーン)が対立する話なのですが
デーヴァラとバイラ、各々の子世代にも因縁が受け継がれる壮大なストーリーとなっております。

なおデーヴァラ、パート1なんですよ。
インドに限らず1本で終わらない映画、増えたなぁって思います。
だいぶ良いところで終わるので、パート1の時点ではストーリーについてはなんともコメントしにくいというか。
他人におすすめしにくいのはありますね、1本で終わらないと。

映像は綺麗だし、インド映画全般に言えますが夜のシーンが見やすいのはいいですねぇ。

2025年3月15日土曜日

エルファバはある意味「無敵の人」なのかも 映画『ウィキッド ふたりの魔女』

『ウィキッド』大好きなんですよ。
劇団四季のミュージカルで見た時にいたく感動しまして
それが映画になったらもう見るしか無いでしょう。

ミュージカルと聞くと馬鹿にして見ない人もいるので、映画になることでより多くの人が見るのだと思うと勝手に胸が熱くなりますね。
まあ映画もゴリゴリのミュージカルですが。



『ウィキッド』は、『オズの魔法使い』に登場する北の善い魔女グリンダと西の悪い魔女(ウィキッドではエルファバ)を主人公にした物語。
緑の肌と魔法の才能を持って生まれ、幼い頃から差別に遭ってきたエルファバに対して
金髪に白い肌、人当たりがよく誰からも愛されるグリンダ
正反対の二人が反発し、友達になり、そして袂を分かつまでが描かれるわけですが
「正反対の二人が友達に」のあたりでもう「大好物ですありがとうございます!」ですよ。
そして仲良くなってから運命に引き裂かれる二人。
『RRR』か『ガンダムSEED』か!?ですよ。おもろーーー。


そんな友情の話に加えて、政治的な皮肉がしっかり入っており
国の結束のために共通の敵を作り、罠にはめ、迫害することを「される側」目線で体験できるのもこの作品の面白いところだと思います。

改めて映画を見ると、エルファバもある意味「無敵の人」なんだな、と感じました。
ずっと他人から蔑まれてきたエルファバは、誰よりもオズの魔法使い陛下に認められて、ひいては他人から尊重してもらいたかったはずなのに
ポリシーが合わないと分かると陛下を拒否。
信念の強さはもちろんですが、エルファバには陛下の依頼を拒否することで失う物が少ないんだなと気付かされましたね。
もとより家族や他人からは忌避されているし、恋も敗れた(と思っている)し
状況が悪くなったところで今までとさして変わらないのかと。

無敵の人というと犯罪に結びつけられがちですが、
失うものが無いからこそ自分の信念を貫く、という方向で無敵を発揮することもできるんだよなとぼんやりと思いました。

そう思うと、周囲から良い子だったり人気者であることを期待されているグリンダがその地位を落としてまでエルファバについて行かないのも分かるというか。
みんなにとっての良い人であるというのがグリンダの信念なのでしょうし。

同じ沼にハマるのも友情ならば、解釈違いを尊重するのも友情か…

なお映画『ウィキッド』、二部構成?になっており、ふたりの魔女はパート1です。
はやく…はやくパート2を公開してください…待ち切れない!

2025年2月24日月曜日

ラジニカーント主演映画「ジェイラー」を見て感情がおいつかない

インドでは感情は9つあると定義されており、その9つの感情が全て入った映画こそがマサラムービーである…と、どこかで見かけた気がします。
ひとつの映画に色々な感情を入れこむのは難しいですが、インド映画の長尺なら入ってしまい、
あらゆる感情を詰め込まれた結果、温度差で風邪ひきそうになったのがこちら
インド映画のレジェンド、ラジニカーント主演の「ジェイラー」です。



引退した元看守のムトゥ(ラジニ様)には警察官の息子がいる。
息子は密輸組織を追う過程で行方不明になり、ムトゥは復讐のために立ち上がる……のだが、
だが、ですよもう。

インド映画ではわりと復讐は正義…というか、正義でなくても正当みたいなニュアンスが強いなと感じておりますが
ジェイラーはどうなんだ、どっちなんだこれは。
あまり悪と正義とか考えないほうがいいのかもしれません。どっちもぶっ飛んでます。
アクションは少なめですが、個人的には少ないアクションのほうがより凶悪な強さを感じましたね。
「ジェイラー」のラジニ様はアクションするより、拳銃でバンバン撃たれてるのに謎の力でかすりもせず、不適な笑みを浮かべて悠然と立ちつくしているほうが似合ってます。
そしてアクションの必死感が無いと余計に悪く見えるのかも。

そんな正義なのか悪なのかわからないラジニ様が強大なパワーであらゆる物を薙ぎ倒していく中、物語後半がいきなりコミカルに振れるんですよ。
ラジニ様は前半から引き続き渋いんですが、登場キャラが一気に濃くなる。
笑っていいのか慄いていいのか分からない。

そして続々登場する豪華な特別出演。
驚いていいのか怯えていいのか分からない。
最終的に「ひえー」とか「おわー」しか言えなくなって、そんな話になる???と翻弄されて映画館を出てきました。

ちょっと1回では処理しきれそうに無い。

特別出演の方々も、ジャッキーシュロフ以外は私は分からなかったので
もっとインド映画に詳しくなって観たらより面白いんだろうなと思います。

2025年1月4日土曜日

マハーバーラタ☓ポストアポカリプスSF カルキ 2898-AD

2025年初のインド映画配給があり、ウッキウキで見に行って来ました。
「バーフバリ」のプラバース主演、「カルキ 2898-AD」!



「カルキ 2898-AD」はインドのポストアポカリプスSF。
インドの叙事詩「マハーバーラタ」が物語のベースになっており、「マハーバーラタ」を1回読んで覚えているかどうか怪しいレベルの私でも十分楽しめました。

人名や哲学用語なども登場しますが、大雑把に言うと
終末が近づく世界で、神を自称する指導者とその組織が資源を独占して下々の民を苦しめており、その状況を打破する子供が産まれようとしているけど組織から狙われてるから守るよ。
という感じですね。
その子供がヴィシュヌ神の化身だとか、護り手が「マハーバーラタ」の戦士たちとか、インド哲学とか細かい事は色々あるのですが
神羅カンパニーからエアリスを守ったことがあるなら色々知らなくてもすんなり入れる気がします。
あと私は存じ上げないのですがFGOにも「マハーバーラタ」の戦士が結構登場しているようなので馴染みがあるかも?

この映画の個人的イチオシは何と言っても、インドの大俳優アミターブ・バッチャンのアクション。
御年、今年で82歳。撮影時点でも80歳くらいのはずですよ。CGなどを駆使しているとは思いますがどういう身体能力なのかと。
この老人が、筋骨隆々な元バーフバリをいなすのだからもうね、たまらんですわよ。

しかし映画レビューを見ると評価が低いんですよねー。
その気持が少し分かってしまうところもあるんですよ。
まず「続編に続く」ってところで終わって完結しない。
続編に続くとか続編匂わせ映画はたくさんあるものの、直近の続編あり映画「ブラフマーストラ」とかは第一章としては完結していましたので
それと比べると消化不良感があるのは否めないかな…

IMAX版と尺が20分ほど違うらしく、その影響か2D上映版はちょっとシーンが飛ぶように感じるのも少しあるかも。
前半部分は特に、プラバース演じるバイラヴァとディーピカ演じるスマティの話が交差しないので、時系列を含めて少し理解しにくいかも…
数日前の自分にアドバイスできるなら、「IMAX版を見ろ」と言いますね。

そんなわけで、インド映画ファンか出演俳優のファンにはオススメ、インド映画をあまり見ない人にはあまり強くお勧めできないかも…という感じですね、個人的には。

私は通常版で鑑賞し、2回目IMAX版で見ようと思っていましたが、
もしかしたらずに終わるかもしれません。
完結板の公開が待たれます。

2024年12月3日火曜日

インド映画「JAWAN」を観てきた感想

「華がある」って、一体何なんだろうな?と思っております。
将棋界だと「藤井(聡太)将棋には華がある」と言われるんですよ。
驚くような手筋が出る、駒が綺麗に使われる、見せ場がある…などなど
その道のプロだけでなく、素人が見ても分かるくらいの、でも(おそらく素人ゆえ)言語化できない惹きつける何かがそこにあるんですよね。

インド映画界最大の「華」が「JAWAN」の主演シャー・ルク・カーンだと思っております。
シャー様が登場した途端、惹きつけられるというか、映像の面白さが増す気がしてるんですよね。
これがスターか。
と、見るたびいつも思います。

そんなカリスマの、「こういうのが見たかったんだろ?」という部分がみっしり詰まっているのが「JAWAN」ではないかと。


個人的なヒットはちょっとお年を召した、ロマンスグレーシャー様ですね。
映画の中では20代、30代を演じているものが多いですが、実年齢は来年で60歳。ロマンスグレーが似合うのなんのって。
こういう年齢のシャー・ルク・カーンもいいですねーーーーーーーーーーカッコいい。

映画のほうは、カッコいいシャー・ルク・カーンを浴びるだけのものかと言うとそんな事はなく
アクションは派手だしオッサン達は渋いし
正しい事を訴えているが、やり方が良く無いものは善なのか?悪なのか?という問いかけもあり
単なるアクションだけでなく、ちょっとだけ社会派の見ごたえのある映画でした。
問いかけ部分は、日本とインドで意見分かれそうだなという気がしますが
とはいえまあ、フィクションですので
それはそれとしてスカッとするというか、むしろ現実では選べない選択肢なのでよりスカッとするのかも。

シャー様ファンはとっくに観ていると思うので
いまさら「おすすめ」とか言えないのですが
おすすめです。

2024年11月30日土曜日

劇場版PUIPUIモルカーを見に行くアラフォーがいるらしい

モルカー劇場版がついに公開。見に行って来ました。
もちろんひとりで!



TVシリーズ放映当時、「子どもは鬼滅を見て大人はモルカーを見ている」と言われていたわけですが。とはいえ本質はお子様向けアニメなわけで
大きなお友達一人で行くのってどうなのかしら…と、ちょっと不安に思っておりました。
結果、夜回だったこともあってか大人ばかりでしたね。
大人はまだモルカーを見ている…!

というか、相葉雅紀氏やゲーム実況者の方々が声をあてるキャラが登場するのを見ると、ターゲット層はもうちょっと上なのかなと思ったり…

実際、おそらく相葉さんファンと思われ、モルカーは見たことがないらしき方が
上映後に「モルカー面白いじゃん」と言いながら帰っていくのを目撃しておりまして
その時にひらめいてしまったんですよね。

もしかしてアイドルファンって、アイドルきっかけに良い作品に触れまくっているのでは?
と。
私がやりたいと思っている「好きなものを増やす」作業的なこと、アイドルつながりでガンガン増えているのでは??

人によりけりで、本命一筋の人もいるとは思いますが
私は勝手にこのように妄想し、勝手に羨ましくなりまして
私も倣ってもう少し人生の引き出しを広げたいなと、猛烈に思いましたね。

映画を見に行って、映画の内容じゃない部分が一番ぐっと来るとは…
映画館じゃないと体験できないことがあるって、こういう事なんだなって…多分違うけど、思いましたね。


肝心の映画について
TVシリーズのネタが多く、劇場版からデビューだとわからない部分もありそうに思いました。特にもるみちゃんとか。
でもよく考えればTVシリーズを見ていてもそうはならんやろ→なっとるやろがい的なノリで進んだ気がするので、大事なのは勢いかもしれない。
シュールさやほんのりブラックな雰囲気が無いと…と思う方にはおすすめできそうです。

2024年10月21日月曜日

映画を見て説教されている気分になる時もある

自分が正論だと思っている意見を述べるのは気持ちの良いものです。
同様に、自分と同意見の他人が正論的なものを述べているのも良いものです。
むしろこっちのほうがノーリスクで助かるまであります。
自己肯定感が高まるとか、優越感を感じるとか、秩序が成立するのが心地よいなどの理由付けがあるようですね。
ここに「ぐぬぬ…」と言っている相手が付いていると、優越感がより高まります。
いわゆる「スカッと」案件ですね。

これを創作物の中のキャラクターがやるケース、私はあまり好きではないです。
わかりやすい問題を作って、主人公がそれを『正論』で論破する、
論破するので主張が全部セリフになっていて、残りの人はその主張を聞いて「はっ…」としたり「ぐぬぬ」となっている場面のみ。

個人的にこっそり「説教系」と呼んでおります。
面白いは面白いけど、それって説教する側視点で優越感に浸ることの面白さじゃないのかしら…?と思ったり。

某、破天荒な教師が学園の問題を解決するドラマとか、某ふわふわ頭の男性が事件を解決する漫画とか
思い出したら古くは「大岡越前」とかこのパターンだと言える気がしますし
オムニバス形式にはわりとあるのかもしれません。


最近公開されたインド映画「リシの旅路」がなかなか説教でした。

最初から訴えたいテーマに沿った内容になっていて、最後に怒涛の説教が来るのは良いのですが
「リシの旅路」のテーマって「人生における成功とはなにか?」金銭的な成功を収めたリシが成功を再定義することなのに
説教の内容は農民の苦労についてなんですよ。
農業に感謝を捧げよという意見はまさに正論で強い納得感があるので、だからこそ私は主張について混乱してしまった感があります。
長い事で有名なインド映画なのに、説教が始まるまで前フリあったかい?

英語のレビューに「主演のマヘーシュ・バーブは作品を選べる」的な事が書かれておりましたが、私もそう思っちゃったかも。
他のマヘーシュ・バーブ作品が色々あって、そのうちの1本なら良いものの
日本語字幕付きの唯一の作品としては、映画の構成が”ヴィジャイ的”で、マヘーシュ・バーブの良さとヴィジャイの良さは同じではない気が、と、少し勿体なく感じてしまいました。

今インド映画を日本に持ってきてくれる企業さんはヴィジャイ推しのようなので
説教系がお好きなのかもしれません。
私にはハマらなかったというだけの話なので、こんな良い映画を理解できないなんて!…などと思っていただければ幸いです。


…と、あれこれ考えているうちに土曜日にはまとまりきらなかったので
月曜日に振り返って書くなど。

2024年10月8日火曜日

エンパワーメント映画「花嫁はどこへ?」は面白い

子供の頃、素直であることが良しとされておりました。
年齢にかかわらず素直であることはとても重要な要素ですが、今思い返してみると、子供の頃に良しとされていた素直って、従順さだったよな。と思うわけです。
つまり親や先生のいう事に疑問も持たずに唯々諾々と従う事を「素直で良い子」と評されたのであって
自分の内面に正直であることも素直の一面のはずなのに、そっちは「我が強い」などとマイナスに評価されていたなと。

他人にとっては黙って言う事きいてくれる人が楽で都合が良いですからね。
私のように猜疑心が強く、二言目には「なんで?」が出て来る子供は「可愛くない」「減らず口を叩く」などと言われ放題でした。まあ説明コストがかかるので嫌だという気持ちは理解できます。



映画「花嫁はどこへ?」は、満員電車で二人の花嫁が間違えられるところから始まる物語なのですが
その花嫁のひとり、プールがまさにそんな従順な女性です。
プールは夫の勘違いにより電車に置き去りにされ、見知らぬ駅でひとりぼっちになってしまいます。
嫁ぎ先の村の名前も知らない、育った村にも帰れない、
事前に言われるがまま貴金属を夫に預け、警察は怖いぞと言われるとそれを信じて警察にも行かない。
世間をよく知らず、自力で打開する力も持たない人が駅のホームに残されて、一体どうなってしまうのか……?

一方、間違えられたもう一人の花嫁、ジャヤ。
彼女は偽名を名乗り、教えた電話番号もでたらめ、そして何やら怪しい動きをしており……?
目的は一体何なのか?
ジャヤについてはぜひ劇場でと言いたいですね。
よい映画に出会えたなと本当に思います。


物語の舞台は2001年のインド。
合理性の無い、抑圧のための慣習が女性たちを縛っているのですが
この映画、慣習が非合理であると見せるのがとても上手だと思います。
そもそも事の発端も顔を隠すベールのせいだし
捜索を依頼しているのに顔もわからないという不便さ。

そういった慣習から解放されることで物語が解決に向かう流れがとても綺麗に描かれていると思います。
男性を露悪的に表現していない(物語上ヴィランに相当する人は居る)のも良いですね。


個人的に、そして全体として人気が高そうなのが
プールを助けてくれるマンジュおばさん。
彼女は一人で生きる女性として登場するので、私としても近親感というか…おばさんほど立派な考えは持てていませんが
プールの対極にいるはずなのに、プールの考えを否定しないんですよね。
「結婚なんかやめとけ」とか「お前の夫もこうなるぞ」とか言わない。
つい否定的な言葉が出て来る私としては、このあたりもとても見習いたいものです。

「花嫁はどこへ?」は、もう2~3回は映画館で観たいですね。観ると思います。

2024年10月7日月曜日

アメコミリスペクト「ハヌ・マン」が面白かった話

今、インド映画が2本も公開されております。
インド映画の上映なんて1日1回がほとんどなのに、1日3回くらい上映されてるんですよ
そのうち1本が「ハヌ・マン」



インド神話に登場する猿神、ハヌマーンの力を宿すスーパーヒーロー。
全体的にアメリカのヒーロー映画リスペクトとなっており、タイトルが「ハヌマーン」ではなく「ハヌ・マン」になっているのも、スーパーヒーローによくある「〇〇マン」を意識しているためだとか。

ハヌマーンの事をよく知らなくても、インド映画の歌で神話を語ってくれるので問題なし、前知識無しでも見終わった頃にはハヌマーン知識がついております。

私、アメリカのヒーロー映画はあまり見たことが無いのですが
「シャザム!」だけはなぜか見た事があったので助かりました。

もともとヒーローに憧れていた少年がヴィランに……これは…「シャザム!」!
登場人物が「最高!」と叫ぶときにも「シャザム!」とルビがふられており、オマージュというかリスペクトを感じますね。
もっとヒーロー映画を見ていれば他にもパロディ要素やオマージュ要素を見つけられたのかもしれません。

なお主人公はコソ泥のハヌマントゥ。
主人公がコソ泥で、ヴィランがヒーローに憧れる男。
私がヴィランなら神様に文句のひとつも言いたくなる人選ですけどね。
映画のストーリー的にはコソ泥設定も生かされており、ヴィランのヒーローへの執着も濃いのであまり違和感は無いでしょうか。
ハヌマーン神の力は常時使えるわけではなく、ある条件が整うと一定時間スーパーパワーを発揮できるという「条件付きスーパーヒーロー」なので、いかにその条件を整えるかという駆け引きの時も器用さなどを発揮していて楽しい部分です。

そして何と言ってもハヌマントゥの姉がカッコいい。
可愛い正論系ヒロインミーナクシーが居るのですが、私の中でこの映画のヒロインは完全に姉さんです。
物語開始時点のハヌマントゥがダメ人間であると分かるのも、成長を感じるのも、ヒーローであってもなくても愛してくれるのも、全部姉さんとの関りあってこそなんですよ。
ミーナクシーが霞んでしまうじゃないの。
…と、言いたいところですが、ハヌマントゥや村が変わるきっかけを作るのはいつもミーナクシーのほうなので
やっぱり二人とも必要だなぁ、ヒロイン2名体制は強いな。などと思っております。


それにしても、日本で有名になった俳優が登場するわけでもなく、ラージャマウリ監督でもない作品なのに
けっこう力を入れて上映してるんですよね。
どうしてなのかしら?と思ったら、続編にラーム・チャラン(RRRのラーマ役)が登場する可能性があるらしいとか。
なるほどー。まぁどこまで信憑性があるかは分かりませんが、今から楽しみが増えましたね。

2024年6月29日土曜日

余命少ない犬との旅映画「チャーリー」を見てむせび泣く話

運がよければあなたの元に犬が現れ
心を動かし すべてを変える



というわけで、犬映画「チャーリー」が公開されました。
孤独な男ダルマの元に犬のチャーリーがやってきて、最初は迷惑がっていたのに絆が芽生えるようになっていったところ、チャーリーの病気が発覚。
チャーリーに雪を見せてあげるため、南インドからヒマラヤを目指す話なんですが

泣くでしょ。あらすじがもう泣かせに来てますよ。
そして案の定、号泣して帰ってきました。
劇場でみんなすすり泣いてる状況なの、私初めて遭遇した気がしますよ。

映画なので多少大げさな演出もあると思いますが、孤独な男ダルマの孤独っぷりが私に刺さりまして。
他人と交流しない、同じものばかり食べる、家と職場の往復、同じ映画……ああ、心当たりというかなんというか。
精神状態の演出も兼ねているとは思うのですが、ダルマ家がかなり荒んでいたのも、孤独感とうか、ダルマが人生を諦めているが故に孤独に陥っているのが分かりましたね。

ダルマはチャーリーのために、チャーリーへの愛としてヒマラヤ目指して旅立つわけですが
いろいろな人と出会い、いつもと違う景色を見て、ダルマの人生が豊かになっていくんですよ。
愛を与えていたら自分の人生が豊かになるなんて、っかー理想的な関係じゃないですか!


ああーうちにも犬来ないかなぁー。悪徳ブリーダーから逃げ出してきた犬がたまたま道路に居ないかなぁー??
…と、思わずには居られないのですが
この映画を見て犬を飼うのだけはやってはならない事ですね。
私なんて、モルカーを見たらモルモット飼いたくなる程度の人間ですので
軽率な行動をしてはなりません。

こちらインド映画なのですが、踊らないし展開もそこまで突飛ではないので
普段インド映画を見ないかたにもおすすめしたいところです。
そして私も家を掃除して、なにかにチャレンジしないとなと思いました。
やりたいことが特に無いのが問題なのですが、この「やりたいことが無い」自体が問題のような気もしているので、何かやりたいですね…何か…
…という、気持ちだけはあるというか…

2024年1月16日火曜日

ザ・クラウンシーズン6 ついに終わってしまった…

楽しく拝見していたNetflixのドラマ「ザ・クラウン」最終章が配信されました。
エリザベス女王の晩年がベースなので仕方ないとはいえ、ダイアナ妃の事故、マーガレット王女、エリザベス王太后、親友のポーチーと離別の話が多く、ハッピーエンドと言うには少し淋しい展開になってます。
エリザベス女王の出番も少なく、前半はダイアナ、後半はウィリアムがメイン。

ダイアナ妃の話は避けられないとはいえ、主人公であるはずのエリザベス女王がほとんど登場しない構成にするのはどうなんだ?
…と、思ったわけですが、
多分もう手慣れてしまわれたんでしょうね、女王の職務に。
イギリスはブレア政権の好景気で国家の危機も無く、外せないようなエピソードが他に無かったのかも…と思うなど。

史実ベースなのである程度は仕方ないのかな。
それでもシーズン1から6の最後までしっかり楽しませていただきました。

2024年1月8日月曜日

最近見たインド映画「ヴィクラムとヴェーダ」「ただ空高く舞え」ほか

どちらも現在公開中の映画。一応全国ロードショーになっておりますが、上映館がかなり限られております。
非常にもったいない名作なのに…

というわけで「ただ空高く舞え」


父の死に目に逢えなかった事をきっかけに、格安航空を立ち上げる男の話。
インドに実在していた「デカン航空」創業の話がベースになっているドラマ。

インドのカースト制度は簡単に語ることはできないものの、日本よりも格差社会は根深いように感じ、
一部の人が下層民に抱く嫌悪感には時々驚かされます…映画の中の話ですが。
「ただ空高く舞え」でも、たびたび「貧乏人と同じ飛行機に乗りたくない」という言葉が登場し、主人公は航空会社設立を徹底的に邪魔されます。
貧乏人と同じ飛行機が嫌ならますます格安航空を起業してもらい、貧乏人は格安航空を、金持ちは一般航空のビジネスクラスを使えば一緒に乗らなくて良いはずなので
実際には「貧乏人が飛行機を使うなどおこがましい」が本音かと。

程度の差はあれど、「税金をたくさん払ってない奴が文句を言うな」とか「ダサい奴はうちの店に来るな」と根底にあるものは同じように感じます。
そういったものから受ける執拗な妨害との闘いの話。

主人公の妻ボンミが大変良いキャラクターで、粘っこい嫌がらせの中、スッキリ要素になっています。


「ヴィクラムとヴェーダ」
善と悪の境目とはなにか。簡単に線引きできる場合もあるけれど、世の中そう簡単な事象ばかりとは限らない。
真面目な警察官ヴィクラムと、ギャングのヴェーダ、善はどちらなのか…普通に考えると警察官のほうが善なのだけれど、映画のインド警察は善ですかと言われると……

物語冒頭でギャングのアジトを襲撃した警察官ヴィクラムは、丸腰の人物を射殺し、正当防衛だったように見せかける偽装を行う。
これは善か悪か。ギャングの仲間なら丸腰無抵抗でも撃たれても当然の報いなのか。

後日、ギャングのヴェーダが警察に自首し、ヴィクラムに昔の話を語り始める。
最初は善悪の判断など簡単だと言うヴィクラムだけれど、ヴェーダの話を聞くうちに、自分が撃った丸腰の人物が誰だったのか、そして善悪の境界とは何なのかが揺らいでいく。

もともとはタミル映画で、タミル版ヴェーダのヴィジャイ・セードゥパティが絶妙に胡散臭くて良いんですよ。
ぜひタミル語版もまた見たいですね。


「鉄道人: 知られざるボパール1984の物語」

Netflixで鑑賞。
1984年、インドのボパールで化学工場から有毒ガスが漏れる事故が発生する。
ちょうどその時、ガスが充満するボパールへ向かう急行電車があった。
鉄道人の視点から、ボパールからの脱出、急行電車の停止、救護電車をいかにして送るか、緊迫感のあるやり取りが繰り広げられる。
ここに加えて鉄道泥棒までやってくる。
この泥棒が鉄道警察に扮しているものだから警察官と間違えられ、意図に反して警察役をやらされる羽目になったりして
全編真面目で踊り無し。
Amazonプライムの「フェイク」もですが、ドラマも面白いです。

2023年10月3日火曜日

「容疑者Xの献身」がそこそこ好きな人におすすめしたいインド映画版「容疑者X」

探偵ガリレオシリーズの1作目で直木賞受賞作でもある「容疑者Xの献身」がインド映画になりました。「容疑者X」として、現在Netflixにて配信中です。


インド映画というと歌って踊るイメージが先行しがちですが、「容疑者X」はしっかりしたスリラーで
原作の雰囲気が実に見事に再現されているので、
原作がそこそこ好きな人におすすめしたい作品になっております。

……はい、そこそこ好きな人に。
何でかと言いますと、2つの改変ポイントがあるからなんですね。

その①登場人物のスリム化

キャラクターが増えればそれだけ見せ場やセリフを用意しなければならず、尺を取られるので
登場人物は少ないほうが本筋に集中できます。
「容疑者X」は、数学者、ヒロイン、刑事の3人をメインに絞ることで、関係性も把握しやすいし内面の描写も丁寧にできているかと。

…で、上にも書きましたが数学者、ヒロイン、刑事なので、探偵が消えております。
「探偵ガリレオ」というシリーズの根幹がぶっ壊れている。
数学者と昔なじみ、有能な推理役、ヒロインに惚れる役をすべて刑事が兼ねており
刑事一人でガリレオ&草薙&工藤の3人分の役割を担っています。

この改変によって、数学者の数少ない友人が敵としてやってきて、ヒロインと数学者は共闘するはずなのに彼女ときたら刑事と楽しそうに…と、ドロドロの粘度が高まっている気がしますので個人的には好きな改変ですね。

その②ストーリーの改変

そう、ストーリーが違うんですよ。
私は専門家ではないので個人の勝手な意見ですが、インドと日本はちょっと倫理観が違う部分があるのかな?と思っております。
例えば「RRR」で総督邸に猛獣を放ち多数の死傷者を出したビームが「俺は何も悪いことはしていない!」と言ってるのとか
相手が絶対悪ならボコすのはセーフなのかな?と思う場面がちらりと。
現実の話ではなく映画の中の話ね。
作中で罪を犯したら”清算”されないと、ちょっとしこりが残ってしまうので、この映画でもちょっとしこりが残った気はします。

インド版には象徴的なセリフが出てきます。
「あらゆる問題は、自力で解くか、誰かが導いた答えを受け入れるかの2択だ。」
物語冒頭で、自力で解いたと思った問題が先を越され、他人の回答を受け入れる側に回らざるを得ず絶望したことを考えると
インド版は石神視点のダークハッピーエンドとして美しくまとまっているんだなと思います。
ラージャマウリ監督以外も良いですよ。インド映画。

良ければクリックお願いします

にほんブログ村 その他日記ブログ ひとりぼっち日記へにほんブログ村 ライフスタイルブログ おひとりさまへ