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2025年3月29日土曜日

インドのサメ映画?「デーヴァラ」を観てきた

世の中に「サメ映画」なる一大ジャンルがあることは存じ上げておりました。
私はほぼインド映画専門ですし、観たことは無いんですけどね。
ただ話を聞く限りかなり楽しそうなジャンルで、サメは生物としての限界を超越し、設定は他に類を見ないほど斬新で、制作側の懐事情が伺える場合があるらしいとか。

そんなサメ映画とインド映画が組み合わさったら面白そうじゃないですか?
そんな夢のような映画がついに登場するんですね。
と、思って観てきたのが「デーヴァラ」です。



「RRR」のNTR.Jr主演。火葬の国インドのゾンビ映画「インド・オブ・ザ・デッド」のサイフ・アリー・カーンも登場。
しかしサメは思ったほど登場せずでして
サメ映画にカウントできるほどじゃないかな…と、思っていたのですが
なんでも、「1秒でもサメが出ていればサメ映画」「サメが登場しないサメ映画もある」などの情報を得まして
サメ映画界隈の懐の広さ…あるいは忍耐強さ、すげーな。と思っております。
その基準ならサメ映画だわ。

しかしnotサメ映画民の目線では、「ああ、インド映画だな」という感じでした。
登場人物が多いのに加えて時間経過で子役→大人とキャストが変わるので、人物把握がかなり大変。
2人くらい「息子だと思って育ててきた」と言われているんですが元々どこん家の子だったっけ?という感じです。大筋では問題無かったけど把握できたらより楽しいんだろうな。

海賊のようなことで生計を立てていた村にある事件が起こり
足を洗いたいデーヴァラ(NTR.Jr)と、海賊を続けたいバイラ(サイフ・アリー・カーン)が対立する話なのですが
デーヴァラとバイラ、各々の子世代にも因縁が受け継がれる壮大なストーリーとなっております。

なおデーヴァラ、パート1なんですよ。
インドに限らず1本で終わらない映画、増えたなぁって思います。
だいぶ良いところで終わるので、パート1の時点ではストーリーについてはなんともコメントしにくいというか。
他人におすすめしにくいのはありますね、1本で終わらないと。

映像は綺麗だし、インド映画全般に言えますが夜のシーンが見やすいのはいいですねぇ。

2025年3月15日土曜日

エルファバはある意味「無敵の人」なのかも 映画『ウィキッド ふたりの魔女』

『ウィキッド』大好きなんですよ。
劇団四季のミュージカルで見た時にいたく感動しまして
それが映画になったらもう見るしか無いでしょう。

ミュージカルと聞くと馬鹿にして見ない人もいるので、映画になることでより多くの人が見るのだと思うと勝手に胸が熱くなりますね。
まあ映画もゴリゴリのミュージカルですが。



『ウィキッド』は、『オズの魔法使い』に登場する北の善い魔女グリンダと西の悪い魔女(ウィキッドではエルファバ)を主人公にした物語。
緑の肌と魔法の才能を持って生まれ、幼い頃から差別に遭ってきたエルファバに対して
金髪に白い肌、人当たりがよく誰からも愛されるグリンダ
正反対の二人が反発し、友達になり、そして袂を分かつまでが描かれるわけですが
「正反対の二人が友達に」のあたりでもう「大好物ですありがとうございます!」ですよ。
そして仲良くなってから運命に引き裂かれる二人。
『RRR』か『ガンダムSEED』か!?ですよ。おもろーーー。


そんな友情の話に加えて、政治的な皮肉がしっかり入っており
国の結束のために共通の敵を作り、罠にはめ、迫害することを「される側」目線で体験できるのもこの作品の面白いところだと思います。

改めて映画を見ると、エルファバもある意味「無敵の人」なんだな、と感じました。
ずっと他人から蔑まれてきたエルファバは、誰よりもオズの魔法使い陛下に認められて、ひいては他人から尊重してもらいたかったはずなのに
ポリシーが合わないと分かると陛下を拒否。
信念の強さはもちろんですが、エルファバには陛下の依頼を拒否することで失う物が少ないんだなと気付かされましたね。
もとより家族や他人からは忌避されているし、恋も敗れた(と思っている)し
状況が悪くなったところで今までとさして変わらないのかと。

無敵の人というと犯罪に結びつけられがちですが、
失うものが無いからこそ自分の信念を貫く、という方向で無敵を発揮することもできるんだよなとぼんやりと思いました。

そう思うと、周囲から良い子だったり人気者であることを期待されているグリンダがその地位を落としてまでエルファバについて行かないのも分かるというか。
みんなにとっての良い人であるというのがグリンダの信念なのでしょうし。

同じ沼にハマるのも友情ならば、解釈違いを尊重するのも友情か…

なお映画『ウィキッド』、二部構成?になっており、ふたりの魔女はパート1です。
はやく…はやくパート2を公開してください…待ち切れない!

2025年2月24日月曜日

ラジニカーント主演映画「ジェイラー」を見て感情がおいつかない

インドでは感情は9つあると定義されており、その9つの感情が全て入った映画こそがマサラムービーである…と、どこかで見かけた気がします。
ひとつの映画に色々な感情を入れこむのは難しいですが、インド映画の長尺なら入ってしまい、
あらゆる感情を詰め込まれた結果、温度差で風邪ひきそうになったのがこちら
インド映画のレジェンド、ラジニカーント主演の「ジェイラー」です。



引退した元看守のムトゥ(ラジニ様)には警察官の息子がいる。
息子は密輸組織を追う過程で行方不明になり、ムトゥは復讐のために立ち上がる……のだが、
だが、ですよもう。

インド映画ではわりと復讐は正義…というか、正義でなくても正当みたいなニュアンスが強いなと感じておりますが
ジェイラーはどうなんだ、どっちなんだこれは。
あまり悪と正義とか考えないほうがいいのかもしれません。どっちもぶっ飛んでます。
アクションは少なめですが、個人的には少ないアクションのほうがより凶悪な強さを感じましたね。
「ジェイラー」のラジニ様はアクションするより、拳銃でバンバン撃たれてるのに謎の力でかすりもせず、不適な笑みを浮かべて悠然と立ちつくしているほうが似合ってます。
そしてアクションの必死感が無いと余計に悪く見えるのかも。

そんな正義なのか悪なのかわからないラジニ様が強大なパワーであらゆる物を薙ぎ倒していく中、物語後半がいきなりコミカルに振れるんですよ。
ラジニ様は前半から引き続き渋いんですが、登場キャラが一気に濃くなる。
笑っていいのか慄いていいのか分からない。

そして続々登場する豪華な特別出演。
驚いていいのか怯えていいのか分からない。
最終的に「ひえー」とか「おわー」しか言えなくなって、そんな話になる???と翻弄されて映画館を出てきました。

ちょっと1回では処理しきれそうに無い。

特別出演の方々も、ジャッキーシュロフ以外は私は分からなかったので
もっとインド映画に詳しくなって観たらより面白いんだろうなと思います。

2025年1月4日土曜日

マハーバーラタ☓ポストアポカリプスSF カルキ 2898-AD

2025年初のインド映画配給があり、ウッキウキで見に行って来ました。
「バーフバリ」のプラバース主演、「カルキ 2898-AD」!



「カルキ 2898-AD」はインドのポストアポカリプスSF。
インドの叙事詩「マハーバーラタ」が物語のベースになっており、「マハーバーラタ」を1回読んで覚えているかどうか怪しいレベルの私でも十分楽しめました。

人名や哲学用語なども登場しますが、大雑把に言うと
終末が近づく世界で、神を自称する指導者とその組織が資源を独占して下々の民を苦しめており、その状況を打破する子供が産まれようとしているけど組織から狙われてるから守るよ。
という感じですね。
その子供がヴィシュヌ神の化身だとか、護り手が「マハーバーラタ」の戦士たちとか、インド哲学とか細かい事は色々あるのですが
神羅カンパニーからエアリスを守ったことがあるなら色々知らなくてもすんなり入れる気がします。
あと私は存じ上げないのですがFGOにも「マハーバーラタ」の戦士が結構登場しているようなので馴染みがあるかも?

この映画の個人的イチオシは何と言っても、インドの大俳優アミターブ・バッチャンのアクション。
御年、今年で82歳。撮影時点でも80歳くらいのはずですよ。CGなどを駆使しているとは思いますがどういう身体能力なのかと。
この老人が、筋骨隆々な元バーフバリをいなすのだからもうね、たまらんですわよ。

しかし映画レビューを見ると評価が低いんですよねー。
その気持が少し分かってしまうところもあるんですよ。
まず「続編に続く」ってところで終わって完結しない。
続編に続くとか続編匂わせ映画はたくさんあるものの、直近の続編あり映画「ブラフマーストラ」とかは第一章としては完結していましたので
それと比べると消化不良感があるのは否めないかな…

IMAX版と尺が20分ほど違うらしく、その影響か2D上映版はちょっとシーンが飛ぶように感じるのも少しあるかも。
前半部分は特に、プラバース演じるバイラヴァとディーピカ演じるスマティの話が交差しないので、時系列を含めて少し理解しにくいかも…
数日前の自分にアドバイスできるなら、「IMAX版を見ろ」と言いますね。

そんなわけで、インド映画ファンか出演俳優のファンにはオススメ、インド映画をあまり見ない人にはあまり強くお勧めできないかも…という感じですね、個人的には。

私は通常版で鑑賞し、2回目IMAX版で見ようと思っていましたが、
もしかしたらずに終わるかもしれません。
完結板の公開が待たれます。

2024年12月3日火曜日

インド映画「JAWAN」を観てきた感想

「華がある」って、一体何なんだろうな?と思っております。
将棋界だと「藤井(聡太)将棋には華がある」と言われるんですよ。
驚くような手筋が出る、駒が綺麗に使われる、見せ場がある…などなど
その道のプロだけでなく、素人が見ても分かるくらいの、でも(おそらく素人ゆえ)言語化できない惹きつける何かがそこにあるんですよね。

インド映画界最大の「華」が「JAWAN」の主演シャー・ルク・カーンだと思っております。
シャー様が登場した途端、惹きつけられるというか、映像の面白さが増す気がしてるんですよね。
これがスターか。
と、見るたびいつも思います。

そんなカリスマの、「こういうのが見たかったんだろ?」という部分がみっしり詰まっているのが「JAWAN」ではないかと。


個人的なヒットはちょっとお年を召した、ロマンスグレーシャー様ですね。
映画の中では20代、30代を演じているものが多いですが、実年齢は来年で60歳。ロマンスグレーが似合うのなんのって。
こういう年齢のシャー・ルク・カーンもいいですねーーーーーーーーーーカッコいい。

映画のほうは、カッコいいシャー・ルク・カーンを浴びるだけのものかと言うとそんな事はなく
アクションは派手だしオッサン達は渋いし
正しい事を訴えているが、やり方が良く無いものは善なのか?悪なのか?という問いかけもあり
単なるアクションだけでなく、ちょっとだけ社会派の見ごたえのある映画でした。
問いかけ部分は、日本とインドで意見分かれそうだなという気がしますが
とはいえまあ、フィクションですので
それはそれとしてスカッとするというか、むしろ現実では選べない選択肢なのでよりスカッとするのかも。

シャー様ファンはとっくに観ていると思うので
いまさら「おすすめ」とか言えないのですが
おすすめです。

2024年11月30日土曜日

劇場版PUIPUIモルカーを見に行くアラフォーがいるらしい

モルカー劇場版がついに公開。見に行って来ました。
もちろんひとりで!



TVシリーズ放映当時、「子どもは鬼滅を見て大人はモルカーを見ている」と言われていたわけですが。とはいえ本質はお子様向けアニメなわけで
大きなお友達一人で行くのってどうなのかしら…と、ちょっと不安に思っておりました。
結果、夜回だったこともあってか大人ばかりでしたね。
大人はまだモルカーを見ている…!

というか、相葉雅紀氏やゲーム実況者の方々が声をあてるキャラが登場するのを見ると、ターゲット層はもうちょっと上なのかなと思ったり…

実際、おそらく相葉さんファンと思われ、モルカーは見たことがないらしき方が
上映後に「モルカー面白いじゃん」と言いながら帰っていくのを目撃しておりまして
その時にひらめいてしまったんですよね。

もしかしてアイドルファンって、アイドルきっかけに良い作品に触れまくっているのでは?
と。
私がやりたいと思っている「好きなものを増やす」作業的なこと、アイドルつながりでガンガン増えているのでは??

人によりけりで、本命一筋の人もいるとは思いますが
私は勝手にこのように妄想し、勝手に羨ましくなりまして
私も倣ってもう少し人生の引き出しを広げたいなと、猛烈に思いましたね。

映画を見に行って、映画の内容じゃない部分が一番ぐっと来るとは…
映画館じゃないと体験できないことがあるって、こういう事なんだなって…多分違うけど、思いましたね。


肝心の映画について
TVシリーズのネタが多く、劇場版からデビューだとわからない部分もありそうに思いました。特にもるみちゃんとか。
でもよく考えればTVシリーズを見ていてもそうはならんやろ→なっとるやろがい的なノリで進んだ気がするので、大事なのは勢いかもしれない。
シュールさやほんのりブラックな雰囲気が無いと…と思う方にはおすすめできそうです。

2024年10月21日月曜日

映画を見て説教されている気分になる時もある

自分が正論だと思っている意見を述べるのは気持ちの良いものです。
同様に、自分と同意見の他人が正論的なものを述べているのも良いものです。
むしろこっちのほうがノーリスクで助かるまであります。
自己肯定感が高まるとか、優越感を感じるとか、秩序が成立するのが心地よいなどの理由付けがあるようですね。
ここに「ぐぬぬ…」と言っている相手が付いていると、優越感がより高まります。
いわゆる「スカッと」案件ですね。

これを創作物の中のキャラクターがやるケース、私はあまり好きではないです。
わかりやすい問題を作って、主人公がそれを『正論』で論破する、
論破するので主張が全部セリフになっていて、残りの人はその主張を聞いて「はっ…」としたり「ぐぬぬ」となっている場面のみ。

個人的にこっそり「説教系」と呼んでおります。
面白いは面白いけど、それって説教する側視点で優越感に浸ることの面白さじゃないのかしら…?と思ったり。

某、破天荒な教師が学園の問題を解決するドラマとか、某ふわふわ頭の男性が事件を解決する漫画とか
思い出したら古くは「大岡越前」とかこのパターンだと言える気がしますし
オムニバス形式にはわりとあるのかもしれません。


最近公開されたインド映画「リシの旅路」がなかなか説教でした。

最初から訴えたいテーマに沿った内容になっていて、最後に怒涛の説教が来るのは良いのですが
「リシの旅路」のテーマって「人生における成功とはなにか?」金銭的な成功を収めたリシが成功を再定義することなのに
説教の内容は農民の苦労についてなんですよ。
農業に感謝を捧げよという意見はまさに正論で強い納得感があるので、だからこそ私は主張について混乱してしまった感があります。
長い事で有名なインド映画なのに、説教が始まるまで前フリあったかい?

英語のレビューに「主演のマヘーシュ・バーブは作品を選べる」的な事が書かれておりましたが、私もそう思っちゃったかも。
他のマヘーシュ・バーブ作品が色々あって、そのうちの1本なら良いものの
日本語字幕付きの唯一の作品としては、映画の構成が”ヴィジャイ的”で、マヘーシュ・バーブの良さとヴィジャイの良さは同じではない気が、と、少し勿体なく感じてしまいました。

今インド映画を日本に持ってきてくれる企業さんはヴィジャイ推しのようなので
説教系がお好きなのかもしれません。
私にはハマらなかったというだけの話なので、こんな良い映画を理解できないなんて!…などと思っていただければ幸いです。


…と、あれこれ考えているうちに土曜日にはまとまりきらなかったので
月曜日に振り返って書くなど。

2024年10月8日火曜日

エンパワーメント映画「花嫁はどこへ?」は面白い

子供の頃、素直であることが良しとされておりました。
年齢にかかわらず素直であることはとても重要な要素ですが、今思い返してみると、子供の頃に良しとされていた素直って、従順さだったよな。と思うわけです。
つまり親や先生のいう事に疑問も持たずに唯々諾々と従う事を「素直で良い子」と評されたのであって
自分の内面に正直であることも素直の一面のはずなのに、そっちは「我が強い」などとマイナスに評価されていたなと。

他人にとっては黙って言う事きいてくれる人が楽で都合が良いですからね。
私のように猜疑心が強く、二言目には「なんで?」が出て来る子供は「可愛くない」「減らず口を叩く」などと言われ放題でした。まあ説明コストがかかるので嫌だという気持ちは理解できます。



映画「花嫁はどこへ?」は、満員電車で二人の花嫁が間違えられるところから始まる物語なのですが
その花嫁のひとり、プールがまさにそんな従順な女性です。
プールは夫の勘違いにより電車に置き去りにされ、見知らぬ駅でひとりぼっちになってしまいます。
嫁ぎ先の村の名前も知らない、育った村にも帰れない、
事前に言われるがまま貴金属を夫に預け、警察は怖いぞと言われるとそれを信じて警察にも行かない。
世間をよく知らず、自力で打開する力も持たない人が駅のホームに残されて、一体どうなってしまうのか……?

一方、間違えられたもう一人の花嫁、ジャヤ。
彼女は偽名を名乗り、教えた電話番号もでたらめ、そして何やら怪しい動きをしており……?
目的は一体何なのか?
ジャヤについてはぜひ劇場でと言いたいですね。
よい映画に出会えたなと本当に思います。


物語の舞台は2001年のインド。
合理性の無い、抑圧のための慣習が女性たちを縛っているのですが
この映画、慣習が非合理であると見せるのがとても上手だと思います。
そもそも事の発端も顔を隠すベールのせいだし
捜索を依頼しているのに顔もわからないという不便さ。

そういった慣習から解放されることで物語が解決に向かう流れがとても綺麗に描かれていると思います。
男性を露悪的に表現していない(物語上ヴィランに相当する人は居る)のも良いですね。


個人的に、そして全体として人気が高そうなのが
プールを助けてくれるマンジュおばさん。
彼女は一人で生きる女性として登場するので、私としても近親感というか…おばさんほど立派な考えは持てていませんが
プールの対極にいるはずなのに、プールの考えを否定しないんですよね。
「結婚なんかやめとけ」とか「お前の夫もこうなるぞ」とか言わない。
つい否定的な言葉が出て来る私としては、このあたりもとても見習いたいものです。

「花嫁はどこへ?」は、もう2~3回は映画館で観たいですね。観ると思います。

2024年10月7日月曜日

アメコミリスペクト「ハヌ・マン」が面白かった話

今、インド映画が2本も公開されております。
インド映画の上映なんて1日1回がほとんどなのに、1日3回くらい上映されてるんですよ
そのうち1本が「ハヌ・マン」



インド神話に登場する猿神、ハヌマーンの力を宿すスーパーヒーロー。
全体的にアメリカのヒーロー映画リスペクトとなっており、タイトルが「ハヌマーン」ではなく「ハヌ・マン」になっているのも、スーパーヒーローによくある「〇〇マン」を意識しているためだとか。

ハヌマーンの事をよく知らなくても、インド映画の歌で神話を語ってくれるので問題なし、前知識無しでも見終わった頃にはハヌマーン知識がついております。

私、アメリカのヒーロー映画はあまり見たことが無いのですが
「シャザム!」だけはなぜか見た事があったので助かりました。

もともとヒーローに憧れていた少年がヴィランに……これは…「シャザム!」!
登場人物が「最高!」と叫ぶときにも「シャザム!」とルビがふられており、オマージュというかリスペクトを感じますね。
もっとヒーロー映画を見ていれば他にもパロディ要素やオマージュ要素を見つけられたのかもしれません。

なお主人公はコソ泥のハヌマントゥ。
主人公がコソ泥で、ヴィランがヒーローに憧れる男。
私がヴィランなら神様に文句のひとつも言いたくなる人選ですけどね。
映画のストーリー的にはコソ泥設定も生かされており、ヴィランのヒーローへの執着も濃いのであまり違和感は無いでしょうか。
ハヌマーン神の力は常時使えるわけではなく、ある条件が整うと一定時間スーパーパワーを発揮できるという「条件付きスーパーヒーロー」なので、いかにその条件を整えるかという駆け引きの時も器用さなどを発揮していて楽しい部分です。

そして何と言ってもハヌマントゥの姉がカッコいい。
可愛い正論系ヒロインミーナクシーが居るのですが、私の中でこの映画のヒロインは完全に姉さんです。
物語開始時点のハヌマントゥがダメ人間であると分かるのも、成長を感じるのも、ヒーローであってもなくても愛してくれるのも、全部姉さんとの関りあってこそなんですよ。
ミーナクシーが霞んでしまうじゃないの。
…と、言いたいところですが、ハヌマントゥや村が変わるきっかけを作るのはいつもミーナクシーのほうなので
やっぱり二人とも必要だなぁ、ヒロイン2名体制は強いな。などと思っております。


それにしても、日本で有名になった俳優が登場するわけでもなく、ラージャマウリ監督でもない作品なのに
けっこう力を入れて上映してるんですよね。
どうしてなのかしら?と思ったら、続編にラーム・チャラン(RRRのラーマ役)が登場する可能性があるらしいとか。
なるほどー。まぁどこまで信憑性があるかは分かりませんが、今から楽しみが増えましたね。

2024年6月29日土曜日

余命少ない犬との旅映画「チャーリー」を見てむせび泣く話

運がよければあなたの元に犬が現れ
心を動かし すべてを変える



というわけで、犬映画「チャーリー」が公開されました。
孤独な男ダルマの元に犬のチャーリーがやってきて、最初は迷惑がっていたのに絆が芽生えるようになっていったところ、チャーリーの病気が発覚。
チャーリーに雪を見せてあげるため、南インドからヒマラヤを目指す話なんですが

泣くでしょ。あらすじがもう泣かせに来てますよ。
そして案の定、号泣して帰ってきました。
劇場でみんなすすり泣いてる状況なの、私初めて遭遇した気がしますよ。

映画なので多少大げさな演出もあると思いますが、孤独な男ダルマの孤独っぷりが私に刺さりまして。
他人と交流しない、同じものばかり食べる、家と職場の往復、同じ映画……ああ、心当たりというかなんというか。
精神状態の演出も兼ねているとは思うのですが、ダルマ家がかなり荒んでいたのも、孤独感とうか、ダルマが人生を諦めているが故に孤独に陥っているのが分かりましたね。

ダルマはチャーリーのために、チャーリーへの愛としてヒマラヤ目指して旅立つわけですが
いろいろな人と出会い、いつもと違う景色を見て、ダルマの人生が豊かになっていくんですよ。
愛を与えていたら自分の人生が豊かになるなんて、っかー理想的な関係じゃないですか!


ああーうちにも犬来ないかなぁー。悪徳ブリーダーから逃げ出してきた犬がたまたま道路に居ないかなぁー??
…と、思わずには居られないのですが
この映画を見て犬を飼うのだけはやってはならない事ですね。
私なんて、モルカーを見たらモルモット飼いたくなる程度の人間ですので
軽率な行動をしてはなりません。

こちらインド映画なのですが、踊らないし展開もそこまで突飛ではないので
普段インド映画を見ないかたにもおすすめしたいところです。
そして私も家を掃除して、なにかにチャレンジしないとなと思いました。
やりたいことが特に無いのが問題なのですが、この「やりたいことが無い」自体が問題のような気もしているので、何かやりたいですね…何か…
…という、気持ちだけはあるというか…

2024年1月16日火曜日

ザ・クラウンシーズン6 ついに終わってしまった…

楽しく拝見していたNetflixのドラマ「ザ・クラウン」最終章が配信されました。
エリザベス女王の晩年がベースなので仕方ないとはいえ、ダイアナ妃の事故、マーガレット王女、エリザベス王太后、親友のポーチーと離別の話が多く、ハッピーエンドと言うには少し淋しい展開になってます。
エリザベス女王の出番も少なく、前半はダイアナ、後半はウィリアムがメイン。

ダイアナ妃の話は避けられないとはいえ、主人公であるはずのエリザベス女王がほとんど登場しない構成にするのはどうなんだ?
…と、思ったわけですが、
多分もう手慣れてしまわれたんでしょうね、女王の職務に。
イギリスはブレア政権の好景気で国家の危機も無く、外せないようなエピソードが他に無かったのかも…と思うなど。

史実ベースなのである程度は仕方ないのかな。
それでもシーズン1から6の最後までしっかり楽しませていただきました。

2024年1月8日月曜日

最近見たインド映画「ヴィクラムとヴェーダ」「ただ空高く舞え」ほか

どちらも現在公開中の映画。一応全国ロードショーになっておりますが、上映館がかなり限られております。
非常にもったいない名作なのに…

というわけで「ただ空高く舞え」


父の死に目に逢えなかった事をきっかけに、格安航空を立ち上げる男の話。
インドに実在していた「デカン航空」創業の話がベースになっているドラマ。

インドのカースト制度は簡単に語ることはできないものの、日本よりも格差社会は根深いように感じ、
一部の人が下層民に抱く嫌悪感には時々驚かされます…映画の中の話ですが。
「ただ空高く舞え」でも、たびたび「貧乏人と同じ飛行機に乗りたくない」という言葉が登場し、主人公は航空会社設立を徹底的に邪魔されます。
貧乏人と同じ飛行機が嫌ならますます格安航空を起業してもらい、貧乏人は格安航空を、金持ちは一般航空のビジネスクラスを使えば一緒に乗らなくて良いはずなので
実際には「貧乏人が飛行機を使うなどおこがましい」が本音かと。

程度の差はあれど、「税金をたくさん払ってない奴が文句を言うな」とか「ダサい奴はうちの店に来るな」と根底にあるものは同じように感じます。
そういったものから受ける執拗な妨害との闘いの話。

主人公の妻ボンミが大変良いキャラクターで、粘っこい嫌がらせの中、スッキリ要素になっています。


「ヴィクラムとヴェーダ」
善と悪の境目とはなにか。簡単に線引きできる場合もあるけれど、世の中そう簡単な事象ばかりとは限らない。
真面目な警察官ヴィクラムと、ギャングのヴェーダ、善はどちらなのか…普通に考えると警察官のほうが善なのだけれど、映画のインド警察は善ですかと言われると……

物語冒頭でギャングのアジトを襲撃した警察官ヴィクラムは、丸腰の人物を射殺し、正当防衛だったように見せかける偽装を行う。
これは善か悪か。ギャングの仲間なら丸腰無抵抗でも撃たれても当然の報いなのか。

後日、ギャングのヴェーダが警察に自首し、ヴィクラムに昔の話を語り始める。
最初は善悪の判断など簡単だと言うヴィクラムだけれど、ヴェーダの話を聞くうちに、自分が撃った丸腰の人物が誰だったのか、そして善悪の境界とは何なのかが揺らいでいく。

もともとはタミル映画で、タミル版ヴェーダのヴィジャイ・セードゥパティが絶妙に胡散臭くて良いんですよ。
ぜひタミル語版もまた見たいですね。


「鉄道人: 知られざるボパール1984の物語」

Netflixで鑑賞。
1984年、インドのボパールで化学工場から有毒ガスが漏れる事故が発生する。
ちょうどその時、ガスが充満するボパールへ向かう急行電車があった。
鉄道人の視点から、ボパールからの脱出、急行電車の停止、救護電車をいかにして送るか、緊迫感のあるやり取りが繰り広げられる。
ここに加えて鉄道泥棒までやってくる。
この泥棒が鉄道警察に扮しているものだから警察官と間違えられ、意図に反して警察役をやらされる羽目になったりして
全編真面目で踊り無し。
Amazonプライムの「フェイク」もですが、ドラマも面白いです。

2023年10月3日火曜日

「容疑者Xの献身」がそこそこ好きな人におすすめしたいインド映画版「容疑者X」

探偵ガリレオシリーズの1作目で直木賞受賞作でもある「容疑者Xの献身」がインド映画になりました。「容疑者X」として、現在Netflixにて配信中です。


インド映画というと歌って踊るイメージが先行しがちですが、「容疑者X」はしっかりしたスリラーで
原作の雰囲気が実に見事に再現されているので、
原作がそこそこ好きな人におすすめしたい作品になっております。

……はい、そこそこ好きな人に。
何でかと言いますと、2つの改変ポイントがあるからなんですね。

その①登場人物のスリム化

キャラクターが増えればそれだけ見せ場やセリフを用意しなければならず、尺を取られるので
登場人物は少ないほうが本筋に集中できます。
「容疑者X」は、数学者、ヒロイン、刑事の3人をメインに絞ることで、関係性も把握しやすいし内面の描写も丁寧にできているかと。

…で、上にも書きましたが数学者、ヒロイン、刑事なので、探偵が消えております。
「探偵ガリレオ」というシリーズの根幹がぶっ壊れている。
数学者と昔なじみ、有能な推理役、ヒロインに惚れる役をすべて刑事が兼ねており
刑事一人でガリレオ&草薙&工藤の3人分の役割を担っています。

この改変によって、数学者の数少ない友人が敵としてやってきて、ヒロインと数学者は共闘するはずなのに彼女ときたら刑事と楽しそうに…と、ドロドロの粘度が高まっている気がしますので個人的には好きな改変ですね。

その②ストーリーの改変

そう、ストーリーが違うんですよ。
私は専門家ではないので個人の勝手な意見ですが、インドと日本はちょっと倫理観が違う部分があるのかな?と思っております。
例えば「RRR」で総督邸に猛獣を放ち多数の死傷者を出したビームが「俺は何も悪いことはしていない!」と言ってるのとか
相手が絶対悪ならボコすのはセーフなのかな?と思う場面がちらりと。
現実の話ではなく映画の中の話ね。
作中で罪を犯したら”清算”されないと、ちょっとしこりが残ってしまうので、この映画でもちょっとしこりが残った気はします。

インド版には象徴的なセリフが出てきます。
「あらゆる問題は、自力で解くか、誰かが導いた答えを受け入れるかの2択だ。」
物語冒頭で、自力で解いたと思った問題が先を越され、他人の回答を受け入れる側に回らざるを得ず絶望したことを考えると
インド版は石神視点のダークハッピーエンドとして美しくまとまっているんだなと思います。
ラージャマウリ監督以外も良いですよ。インド映画。

2023年5月22日月曜日

インド神話ベースの能力バトル映画「ブラフマーストラ」を見たよ

インド版アベンジャーズ、というご意見が多い「ブラフマーストラ」を見に行ってきました。


「ブラフマーストラ」は、孤児の青年シヴァが不思議な力に目覚め、世界の破滅を防ぐために戦うお話。出生の秘密も盛り込まれております。
アベンジャーズの波に完全に乗り遅れている私としては
ゲームとか少年漫画のほうに共通項を見出した感じです。

神から授かった「アストラ」と呼ばれる魔法アイテムがあり、
そのアイテムを装着することでスーパーパワーが発揮できるとか
アストラを扱う仲間と共闘するとか
私は「烈火の炎」を思い出したりしてました。

なお3部作の予定らしく、本作は第1章。
1章とはいえ物語はしっかり終わるので、半端に終わった…という事は無いかと。
個人的にはちょっと展開が綺麗過ぎたというか
主人公は良い人でクセがないし、トラブルもなくすんなり恋も進むし
敵も素直な悪だし…素直って何だって感じですが
1章では悪の枢軸は封印されており、有能な部下が現場指揮を執っており
上司のためという純粋な理由で戦うので
ストーリーや人間関係のしがらみというより、アクションを楽しむ映画なんだなという印象でした。

悪の枢軸のバックボーンが第2章のメインテーマのようなので
2章は少し趣が違うのかもしれません。

そしてインド映画の大スター、シャー・ルク・カーンがカメオ出演している事でもこの映画は話題。
冒頭でカッコいいアクションを見せてくれるんですが、これが本当にカッコよくて。
そして大御所のアミターブ・バッチャンが味方側の司令塔として登場しているのですが
こちらも同じくらいカッコよくて。
今年で80歳になるのに剣を振り回してアクションしてるんですよ。
このお二方を見ていると、スターってやっぱり華があるなと実感します。

主人公のランビール・カプールも大スターですけど!
個人的には「Sanju」路線のほうが好きです。

2023年1月26日木曜日

映画(物理)好きの映画「エンドロールのつづき」感想

インド映画の供給は少ないです。
新作がインド公開1年後くらいに見れれば上出来で、来月劇場公開されるものは8年前の映画!
その分、厳選されたものがやって来るので大体どれを見ても面白いんですけどね。
それでも自分には刺さらない物はやっぱりあり…

今回上映開始になったインド映画「エンドロールのつづき」は、そんな映画になってしまいました。


映画に魅せられた9歳の少年が進路を決めるまでが物語になっており、
監督自信がモデルになっている実話も含んだお話とのこと。

これは映画好き……それもフィルム映画好きによる、フィルム映画への愛を綴った作品だなと。
コンテンツとしての映画ではなく、映写機やフィルムのほう。
映画の中身にも触れられる事はあるものの、フィルム上映からパソコンを使った上映に切り替わる事を不幸な事象として表現しているので
この監督は映画の中身ではなく、映写機が好きだったと伝わりました。

私の場合、こういうパソコンやらスマホやらを根拠なく良くない物として扱うのが好きではないので、ますます相容れない気がします。

キャッチコピーでは「チャイ売りの少年が恋に落ちたのは”映画”だった」とありますが、
恋というにはコンプライアンス的に色々問題を抱えているかなと。
インド版ニュー・シネマ・パラダイスとかで、ロマンチックやノスタルジー的な路線になってますけど
これは日本上陸時によくある誤ったイメージ戦略のやつなんじゃないかなって。
海外のポスターを見るともうちょっとダークな雰囲気だし
どちらかというと執心・執着といったニュアンスのほうが近い気がします。
綺麗な言葉や雰囲気で包もうとするとギャップがね……

作品内に登場する料理はとても素晴らしく、どれも美味しそうなので
登場した料理名とレシピの一覧が欲しいですね。


2023年1月5日木曜日

ザ・クラウンシーズン5を見た感想

エリザベス2世崩御間もなくに配信されることで物議を醸したザ・クラウンシーズン5
年末年始休みを利用して視聴しましたので感想を書いていくだけ。

シーズン5から女王の年齢層がまたひとつ上がり、キャストが大幅に入れ替わっております。
相変わらずダイアナの再現度が高すぎてすごいんですけど、逆に全然似てないのがチャールズ。もうちょっと眉毛書き足しても良かったんじゃないかなって。
海外でもやっぱり言われているらしく、ブリテン式に言うと「チャールズ皇太子にしてはイケメン過ぎる」となるらしい。
まあ、前シーズンからチャールズの評価はどん底知らずで落ちる一方なので、似てないほうがフィクション色が濃くなっていいのかもしれない、2話くらい見れば慣れますし。

シーズン5からはメージャー首相が登場。
これがまた有能な人物っぽい描写になっているんですよ。
事実なのかフィクション部分なのかは不明ですが、1980年代後半は、エリザベス2世は退位してチャールズ皇太子が即位すべきという意見が過半数を占めていたとかで
そんな世論を真に受けて王位を狙うチャールズに対して「世論は変わります」と窘めたり


王室メンバーのパーティーを見て、夫婦関係がギスギスしていることから「噴火が近い、私の任期中に起こる」と予言したり


カーテンの隙間からメンバーを覗いて何か悟ってしまう有能ムーブを見せてくれます。
実際、EU設立の立役者と言われているらしく、交渉事はかなり有能みたいですけどね。

が、そんな世界の政治的な流れなんぞ全く関係なく、
シーズン5はひたすら王室メンバーの結婚関係のゴタゴタに終始しています。
ベルリンの壁崩壊、ソビエト崩壊、冷戦終結といった教科書クラスの事件すら出てこず、いつの間にかエリツィンが大統領になっており、
イギリスとロシアの関係性すら結婚の話に持っていくほど、ひたすら「結婚とは」を突き詰めたシリーズになっております。

面白いし、構成も上手いなとは思うけれど
今までの話と比べてちょっとスケール小さくなったなとは思いますかね。

シーズン4でもかなり酷いなと思ったチャールズは、
シーズン5が多分どん底らしく、カミラとの会話テープが出回る時期です。

チャールズ皇太子とカミラ夫人のテープ、内容は詳しく存じ上げませんでしたが
ワイドショーですらお茶の間に流せないくらいの恥ずかしい内容になっており
私があんな会話漏洩したら…家族があんな会話してたら私まで恥ずかしくて外を歩けない。とか思ってしまうレベルですわよ。
が、チャールズはテープ暴露後、食欲も落ちず引き続き王位を狙う発言を繰り返し
それを見た周囲が「チャールズ強い」と評価を改めたりしていて
人生、堂々としていたもん勝ちなんですかね、と思っておりました。

どうせならこのままメグジット騒動まで…と思ったのですが
次回シーズン6が最終章とのこと。
楽しみだけど終わっちゃうの悲しいですね…


2022年10月22日土曜日

このインド映画を待っていた「RRR」公開っ!

インド映画が好きな人は言います。歌って踊るだけがインド映画ではないと。
でもそう言うインド映画好きだって、歌って踊るインド映画、大好きでしょう?
派手なアクションのインド映画、大好きでしょう?

「RRR」は、そんなインド映画の好きな部分を煮詰めて100倍くらいド派手にしたような最高のエンタメ映画でした。


舞台は英国統治下の1920年のインド。前年にはアムリットサル事件が起きて反英感情がすごく高い時期。
英国人に攫われた子供を助けようとするビームと、英国政府の警察でとある理由から出世を目指すラーマ。二人が選択するのは友情か、使命か!?というお話。

いやー熱い。とにかく熱い映画でした。
「バーフバリ」と同じ監督の作品で、私はこの監督の作品にGカンダムっぽさを感じているんですけどね。
Gガンダムも「そんなアクションありか」みたいな演出、たくさんありましたからね。
「RRR」も「そんなアクションありか」みたいな演出がたくさんあります。
バーフバリやマニカルニカでもあったのでまあ平常運転ですね。

そういえば先日、落ち込んだ時におすすめの映画でインド映画が何本か挙げられておりました。
名作「きっと、うまくいく」はその代表格ですが
この「RRR」も落ち込んだ時や辛い時に見たくなる映画として、場合によっては「きっと、うまくいく」よりおすすめできます。
インド映画の難点は長いこと。
「きっと、うまくいく」も「RRR」も3時間の長さを誇りますが
「RRR」はアクションが一番の見せ場のようなところがあるので
一度見ておおよそストーリーをつかめば、あとは主人公二人の筋肉から繰り出されるスーパーパワーとケレン味溢れるアクションを無心で眺めているだけで
多分なんとなくストレス解消になると思われます。

そんなわけで早く配信が始まるかDVDが欲しい。
その前にもう一度映画館に行くかもしれない。
いやー最高の映画でした。楽しいよ!「RRR」!


なお、映画の最後に、おそらくインド独立のために戦ったであろう人々が登場しております。
しばらくその人達の事を調べて過ごせそうです。

2022年9月25日日曜日

スーパー30 アーナンド先生の教室

「努力は必ず報われる」と思える事は恵まれた環境と能力のおかげ
という祝辞が数年前に話題になりましたっけ。他にも色々あったようですが、私この部分に関しては同意しております。
その後訪れたコロナ禍で否応なしに一定の環境を制限されたりしたわけで、まさに自分の努力ではどうにもならない事情とはこういう事だよなと、氷河期時代で自己責任自己責任言われていた私は思うわけです。

格差社会の本場、というと怒られそうですが
未だ根強くカーストが残っているインドにおいて、貧困のために就学を諦めざるをえなかったアーナンド・クマール。
彼が同じく貧困層のために無償の私塾を開く実話ベースの映画がこちら。
スーパー30 アーナンド先生の教室。



だいぶ良かったです。
一部、インド映画の金字塔と言われる「炎」という映画を知っている事前提の歌が入るので、それを知らない私は意味を理解することができませんでしたが
それを差し引いても良かった。
若干、退職届も出さないならそりゃ怒るわと思う場面もあるけれども、映画の展開は変わらないだろうからそこは演出の都合ということで…まあ。

ところで我々にはなぜ教育が必要なんでしょうね。
思考力とか知的好奇心がとか、色々ありますけど
身も蓋もない言い方をすると、安定した収入を得て他人からそれなりに扱ってもらうためというのが大きい気がしております。
阿部寛は言いました。バカとブスこそ東大へ行けと。
社会的に立場が弱い人が努力で身につけられる鎧、それが学歴であるわけで、
特に家の格差が固定になりがちなインドでは、日本よりも重要な事なのかもしれない。

一方で、同じくインド映画の名作「きっと、うまくいく」では学歴社会を批判して、こちらも名作と言われております。
主張は反対なのかな?と思いましたが、しがらみに囚われず、やりたい道に進めるようにという点で2作品の主張は同じなのだと。
あわせて読みたいならぬ、あわせて見て欲しい映画ですね。

来月も熱いインド映画の公開があるし、楽しみですよ。

2022年9月3日土曜日

映画「さかなのこ」を見てきた(ネタバレあり)

ここ最近、邦画は酷すぎてネタになっているレベルの話ばかり聞いてきましたが
「さかなのこ」はだいぶ面白かったです。


のんがすごく良かったし!
思った以上にさかなクンの生き写しでした。再現度高すぎ。

基本的に、ミー坊が魚を愛でているだけなのですが
背景の説明力が強くて、
魚のことしか興味が無いので偏差値の低い高校に通っているとか
両親が離婚して(してないかも?)父・弟とは別居しているであろう事とか
非言語で伝わる部分がちくちく刺さってきます。
しかも父・弟のほうがいい家に住んでいるんですよね。推しにお金を使っていない家なんですよ。
好きなことをするにも、ノーリスクノーダメージではできないのだというのがひしひしと伝わってきます。

人とは明らかに違う熱意で魚が好きなミー坊ではありますが、友達とその子供のために一度は「普通」の人になろうとする瞬間があります。
人によって、このシーンは不要だったのでは?というポイントがそれぞれあるようなのですが、私は自分の夢を諦めて子供の夢を育てようとするの好きでしたね。
好きが極まりすぎるミー坊だけど、魚が大事で他人などどうでもいいとは思っていないんですよね。それが伝わるエピソードだと思います。

なお、ミー坊のモデルであるさかなクンが「ギョギョおじさん」として映画に出ているのですが
ギョギョおじさんの扱いが笑えるものの酷いことになってまして…映画で一番笑ったのここなんですけどねw
でもあれは世間から受け入れられなかった世界線のミー坊なんだなと。
小学生から敬遠され続けたギョギョおじさんに対して、ミー坊に駆け寄る小学生のランドセルの色がカラフルになっているあたり、時代が進んだのもあるけど多様性も進んでいるのを象徴していて、こういう細かい描写が本当にうまい映画だなと思います。
とはいえ知らない人の家に行くのは危ないので、ミー坊母もだいぶヤキが回ってるなと思いましたけどね。

多分気が付かずに見逃しているポイントもいくつかあると思うので
映画館におかわりをしに行くか、配信が始まったらもう一度見たいかも。

2022年6月1日水曜日

見えない壁の気持ちはわかる アニメ「整形水」を見て思う

成長するにつれて、評価は実力と比例するとは限らないことを学んで行き、
昔は努力さえすればいいと思っていたけれど、いつかの時点で「自分は努力をしても無理だ」と気がついてしまいました。
結局、評価する側の人間に好かれるかどうかが重要なんだと。

それは常に美醜の問題とは限らないけれど、美しいというのはかなり有利に働く要素なのは間違いなく…。

「整形水」は、容姿にコンプレックスを持つ主人公イェジが、顔も体型も自由に変えられる謎の「整形水」を手に入れて美女になる、サイコホラーアニメ。


その中でイェジが「いつも見えない壁があった」と発言するシーンがあるんですよね。
イェジはバレエを習っていて、コンクールで一番上手だという自負があったのに2位しか取れなかった。
が、このイェジがかなりワガママな性格なので、それは自己評価が高いだけで本当は2位の実力だったのでは?とか思う一方で
私には確かにその「見えない壁」を見ているという気もします。

美醜・学歴・縁故による壁を。
あと若干年齢でしょうか。

私はわりと食べ物界隈のニュースを見ていますが、そこで話題になる人って男女ともに見た目が整っていることは最低限で、加えてだいたい東大・早稲田・慶応がアピールされています。
ものすごい熱量で情報発信をしている人が居るのに、ある日突然「東大卒」がやってきてその界隈の代表みたいな扱いになってるとかよく見ますし
仕事でも評価される人は最初から決まっていて、どう足掻いても「そちら側」の人間でなければ決して評価されないわけで。
整形することでその壁が破れるのであれば、私は別にいいと思うんですけどね、整形。

が、イェジは整形水を手に入れたあと、その壁を超えに行かないんですよね
金持ち男を品定めするだけで。
彼女がやりたかった事は一体何だったのか、それは分からない。
だから2位だったんじゃないのか?と、やっぱり思想が戻ってきて、その繰り返しです。

結局、実力不足なのに「美しくないから」「学歴が無いから」「コネもないから」と言い訳して努力を怠っているだけじゃないのか?
という疑問は忘れずにいたい。
努力するかどうかはその時考えるとして。

そして整形モノといえばオチは失敗か副作用か…というところですが
ラストは予想しない方向に進みまして
「面白い」と「胸糞悪い」は両立するんだなと思いながら画面を閉じました。

結構強烈なインパクトが残った作品です。
あと部分的に刺さる事もあったので、見てよかったのかもしれない。

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凍った大学いもは、うまい。