日常が淡々と描かれている物語はどうにもちょっと苦手で
この映画も苦手な部類だろうなと思いつつも、インド映画なので観に行ってきました。
第77回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品『私たちが光と想うすべて』
夫に先立たれ、家を失いそうな女性パルバティ
結婚後すぐ夫が単身赴任に行き最近は夫と連絡がとれていない女性プラバ
イスラム教徒の彼氏がいるヒンドゥー教徒の女性アヌ
この3人の女性とムンバイを中心に淡々と日常を描いていく物語です。
女性の苦しみや生きづらさ…みたいな話もありますが、悪役が出てきて彼女たちを虐げるような展開は無し。
私なんか「アヌの彼氏絶対裏切る!」と思って観てましたが出てくる人はたいがい良い人でした。
ごめんよシアーズ(アヌの彼氏)
で、改めて「光」って何なんでしょうね、ですよ。
淡々と進んでいく映画の中で、主人公たちは一体何を「光と想」ったんだい?
まあ光と想うすべて、と言っている以上映画の中に登場するすべてが光だったのだとは思いますが
個人的には人生に区切りをつけること、
決意とかけじめとか。
現状をなぁなぁで生きていくのではなく、受け入れる・変えていく事の素敵さが鮮やかに表現された映画だったなぁと思います。
それは別に大きな変化を起こすわけじゃなくて、自分の気持の区切りなんですよね。
その先には当然、家族からの批判とか周囲からの余計な”アドバイス”とかが襲いかかるはずですが
映画ではそこまでは出てこないんですよ、そりゃ綺麗に終わりますよねーこのあと絶対バトルですよねー…という気も。
ただ、主人公ズの気持ちはもう固まってしまっているので、説得とかアドバイスを装った何かに惑わされる事は無いのだろうな。
気持ちに区切りをつけただけで現実は甘くしてはくれないけれど
ちょっとずつ変わってるんだよね、というのが、年代の違う3人の女性を通してわかっていくのも素敵でした。
私の時はそんな事許されなかったのに!とか、古くなった常識を持ち出して非常識だ!とか、言ってくれるなよ?と言われたような気がします。
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