2024年1月8日月曜日

最近見たインド映画「ヴィクラムとヴェーダ」「ただ空高く舞え」ほか

どちらも現在公開中の映画。一応全国ロードショーになっておりますが、上映館がかなり限られております。
非常にもったいない名作なのに…

というわけで「ただ空高く舞え」


父の死に目に逢えなかった事をきっかけに、格安航空を立ち上げる男の話。
インドに実在していた「デカン航空」創業の話がベースになっているドラマ。

インドのカースト制度は簡単に語ることはできないものの、日本よりも格差社会は根深いように感じ、
一部の人が下層民に抱く嫌悪感には時々驚かされます…映画の中の話ですが。
「ただ空高く舞え」でも、たびたび「貧乏人と同じ飛行機に乗りたくない」という言葉が登場し、主人公は航空会社設立を徹底的に邪魔されます。
貧乏人と同じ飛行機が嫌ならますます格安航空を起業してもらい、金持ちは一般航空のビジネスクラスを使えば良いはずなので
実際には「貧乏人が飛行機を使うなどおこがましい」が本音。

程度の差はあれど、「税金をたくさん払ってない奴が文句を言うな」とか「ダサい奴はうちの店に来るな」と根底にあるものは同じように感じます。
そういったものから受ける執拗な妨害との闘いの話。

主人公の妻ボンミが大変良いキャラクターで、粘っこい嫌がらせの中、スッキリ要素になっています。


「ヴィクラムとヴェーダ」
善と悪の境目とはなにか。簡単に線引きできる場合もあるけれど、世の中そう簡単な事象ばかりとは限らない。
真面目な警察官ヴィクラムと、ギャングのヴェーダ、善はどちらなのか…普通に考えると警察官のほうが善なのだけれど、映画のインド警察は善ですかと言われると……

物語冒頭でギャングのアジトを襲撃したヴィクラムは、丸腰の人物を射殺し、正当防衛だったように見せかける偽装を行う。
これは善か悪か。ギャングの仲間なら丸腰無抵抗でも撃たれても当然なのか。

後日、ヴェーダが警察に自首し、ヴィクラムに昔の話を語り始める。
最初は善悪の判断など簡単だと言うヴィクラムだけれど、ヴェーダの話を聞くうちに、自分が撃った丸腰の人物が誰だったのか、そして善悪の境界とは何なのかが揺らいでいく。

もともとはタミル映画で、タミル版ヴェーダのヴィジャイ・セードゥパティが絶妙に胡散臭くて良いんですよ。
ぜひタミル語版もまた見たいですね。


「鉄道人: 知られざるボパール1984の物語」

Netflixで鑑賞。
1984年、インドのボパールで化学工場から有毒ガスが漏れる事故が発生する。
ちょうどその時、ガスが充満するボパールへ向かう急行電車があった。
鉄道人の視点から、ボパールからの脱出、急行電車の停止、救護電車をいかにして送るか、緊迫感のあるやり取りが繰り広げられる。
ここに加えて鉄道泥棒までやってくる。
この泥棒が鉄道警察に扮しているものだから警察官と間違えられ、意図に反して警察役をやらされる羽目になったりして
全編真面目で踊り無し。
Amazonプライムの「フェイク」もですが、ドラマも面白いです。

0 件のコメント:

良ければクリックお願いします

にほんブログ村 その他日記ブログ ひとりぼっち日記へにほんブログ村 ライフスタイルブログ おひとりさまへ