2019年7月26日金曜日

小説「パイの物語」を読んだ感想

映画版と結構違いますね。
映画版についてはこちらでうだうだ書いてます。
パイの物語(上) (竹書房文庫)
パイの物語(上) (竹書房文庫)

違いを挙げると
・映画版だと彼女ができているのに小説版には居ない
・「宗教は闇」と発言をする人が異なっている
・子供の頃、リチャード・パーカーに知性を感じるシーンが小説版には無い
・食堂のシーンが無い
・パイが航海の途中で人と出会う
・立ち寄る島の数が違う(小説1:映画2)


彼女のシーンとリチャード・パーカーに知性を感じるシーンは
伏線だったり、パイが気になっている事の暗示だったりするので
これが無いのは結構な驚きです。
映画版はこういった作品を引き締めるための要素があって良かった。
いや、そんな理由なんかどうでもよくて、私はあの映画が好きだから贔屓してしまうんです。
映画版好き。


なお、映画版のコックは怒鳴り散らすオッサンだったのですが
小説版では「綺麗な顔」と言及があり
人畜無害そうなコックが…版も見てみたいかもと思ったり。


一番大きく違ったのは菜食主義の描かれ方のような気がします。

主人公パイは菜食主義者(ヒンドゥー教はわりと菜食主義)なのですが
小説版は、菜食主義の理由も突然出て来た反捕鯨も、現代西洋人の思想なんですよね。
「痛覚のある動物を食べてしまった」という、動物可哀想思想なんです。

インドの菜食主義は、動物の血を「穢れ」とみる思想から来ており
乳製品はOKな場合が多く、神像に牛乳をかけて祝福したりしています。
パイも作中で多数のヨーグルト料理やアイスクリームを食べたいと言っています。
その割に非常食ビスケットに動物性油脂が使われているのを嫌がったりしててよく分からない…(インドでは動物性油脂のギーが大変メジャーで料理からお菓子まで使われている)

まあ私にはヴィーガンのルールは分からないですし
パイはそういう思想なんだろうと丸呑みすることで蓋をすることができますが、
映画はその辺の思想を明言していなかったので好きなように解釈できました。

最初に出会ったものを気に入ってしまう現象なのかもしれませんが
私は映画のほうが好きですね。

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