2025年2月17日月曜日

映画になるらしい『盤上の向日葵』を読んだよ

将棋のプロ棋士になるために所属が必要な奨励会、入会に結構なお金が必要だったと記憶しており
貧乏な家に将棋の天才が産まれたらどうなってしまうんだ…?と思った記憶があります。
改めて見てみると、入会金は10万円と大きいものの年会費は12万。
1万円/月と考えると、習い事のお値段ポジションでしょうか。
ただ月に何度か関東または関西の将棋会館に出向き、将棋を指す必要があり
地方出身者は会費に加えて将棋会館に行くまでの交通費、宿泊費などが必要になるので
金銭的・時間的負担は不平等だなと思っております。

そんな私がぼんやり考えていた「もしも」が登場するのが
10月に映画が公開される「盤上の向日葵」です。

2019年にNHKでドラマ化もしていたようですが、その頃まだ観る将でも無かったので、つい先日調べて知りました。

まだ将棋小説をすべて読んだわけではないですが、今のところ面白さに関しては将棋小説随一ですね。
最初に犯人が示される倒叙形式で、刑事が追い詰めたのは奨励会を経ずプロになった異例の棋士、上条圭介。
その少し前に発見された白骨死体は、世界に7組しかない高級将棋駒「初代菊水月」を握っていた。

どうやって罪を犯したのか、という点だけでなく、一体誰の死体なのかが分からない。
一方では遺留品「初代菊水月」を追い、もう一方では上条圭介の人生を追いかけながら謎を解き明かしていく流れになっています。

面白いものの個人的には共感できない部分もあり
本を読みながら「上条、そんな男やめなよ」と何度思った事か。
私視点だと、上条圭介を取り巻く人間は3人おり、
ろくでもない父の庸一、ろくでもない真剣師の東明、立派な恩師唐沢なのですが
ろくでもない男が好き…今の時代こう言うと語弊がありますが、恋愛的な意味ではなく、傲慢さや強烈な自我、仄暗い才能のほうに上条は魅力を感じるか安心感を感じてしまい……

…やっぱり平たく言うとろくでもない男が好きなんだね。って言うか……

引き返せるポイントがたくさんあるのに、私視点では全く魅力が分からない人にふらふらついていく話を読んでは、リスク回避の概念は無いのかと首をかしげ、「そんな男やめなよ上条」を繰り返しておりました。

なぜそっち側に行ってしまうのか。
プロ棋士の勝負じゃダメだったのかい?
この設定がラストに説得力を与えているとも言えますが。

で、小説で私が魅力を感じられないろくでもない男、NHKのドラマで演じたのが竹中直人で。
これは映像だと魅力的な人物なっちゃうんだろうな。と思うキャストですね。
10月から上映される映画のほうは渡辺謙で
これまた魅力的な人物になっちゃいそうな予感がしております。
映画を見れば、私も上条の気持ちが少し理解できるでしょうか。
「まあ渡辺謙ならついていくなぁ」とか、思えるかもしれません。思ってそう。

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