2022年1月13日木曜日

邦画の嫌なところが出ている映画「AWAKE」感想

本日、結構ネガティブな話も含まれると思いますので、好きな人のみ見てください。
また、映画「AWAKE」のネタバレを含みます。




2015年に開催されたプロ棋士VS将棋ソフトの団体戦「電王戦」
2対2で迎えた第5局は、コンピュータの21手投了で終わった。
その事実をベースに、将棋ソフト開発側を主人公に作られたフィクションがこの映画。
将棋ソフト開発者と対局相手のプロ棋士を、幼い頃からの奨励会のライバルに設定しておりドラマチックな展開になっております。

序盤は素晴らしかったです。子役の演技がまた上手くて。
セリフが少なめなのに、将棋に没頭してライバルに勝つことに執着する様子がよく伝わります。

が、プロ棋士への夢破れ、大学に入学したあたりから映画がどんどん陳腐になってきまして
プログラミング言語を習得するのにコードも書かずに本の丸暗記とか、主人公の先輩もコードを見るんじゃなくて知識クイズで入部判断するとか
プログラム実行中に隣でソースコードが自動生成される演出とか
そんなプログラマー&プログラムがあるか!…と思うあたりとかは、萎えるもののまぁ演出上のやむを得ない事項と思って飲み込むとして

主人公は将棋ソフト「AWAKE」を完成させ、子供時代に執着したライバルがその対局相手となり図らずもリターンマッチが実現することになるんですがその直前にソフトに問題があることが発覚。

ここからよ。

邦画、ちょっと喜怒哀楽激しすぎに感じるんですよ。
映画館の予告とか見てもすぐ泣いたり叫んだり怒鳴ったりしてるし。
「AWAKE」でもそう。
あらかじめ提出したバージョンのソフトで勝負する約束だったのに、ソフトの問題が発覚すると主人公が規約を無視してプログラムを修正させろと運営に詰めよるんですね
机をバンバン叩いてやたら感情的に怒鳴り散らして
最終的には「ルールが間違ってる!」とわめくんですよ


…どうしよう。この主人公1ミリも応援する気が湧いてこない


そして主人公は会場を飛び出すんですけど
ずっと主人公を見守ってきた父、同じくプロになれなかった奨励会仲間や奨励会の幹事、一緒にソフトを作った先輩
この集大成の場で、今までの主人公を見てきた人、だーれも来てくれないんですよ。

代わりに最近知り合ったかわいい女の子が寄り添ってくれるんですけど
その子バックボーンも描写されてないし主人公の過去もライバルも将棋もプログラミングも何も知らないので、主人公の独白をただ聞くだけ。
もう壁ですよ。可愛い壁。
その後恋でも始まるならまだまぁ…うん。って感じなんですけど
本当にここで独白を聞くためだけに登場させられた役って感じなのがなんともご都合的というか。

無理に異性にしようとしたばかりに何も言えない役をただ添えるだけになっているの非常にもったいない気がするんですよね。

前半は素晴らしかったのに、あと主演の2人も演技が上手くて
無駄に言葉で説明しようとしなくても伝わることが多かったのに
後半の演出がどうにもチープな気が…
しかもそのチープさ、わめく叩く取り乱す、ご都合異性と邦画の嫌なところのオンパレードだったのがすごく残念です。

そこだけ除けばラストも素敵だったんだけどな

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