2021年6月4日金曜日

ギャグの中に風刺が光って…いるように見える「無能の鷹」

ストレス溜まったから気になる漫画買うよ。と言ってからすぐ買ってしまいました。こういう時は早いね!
「無能の鷹」でございます。


見た目はできる人オーラ全開、自信満々。だけど無能という鷹野ツメ子と
その逆で、見た目は頼りなさそうだけど結構できるツッコミ役、鶸田のコンビが中心人物。
鷹野は全く意味のない事を話しているだけなのに、他の人はそこから勝手に意味を読み取って「鷹野すごい…」と解釈して、ボタンを掛け違ったまま上手くいってしまうというすれ違いコント系コメディです。

コメディなのに仕事のネタが結構「あるある」に感じられる不思議な漫画なんですよね。

特に、業務の自動化したいとか社長が言い出すものの、実は有志の間で自動化は進んでて報告されていなかっただけとか
なんでうちの会社の事が漫画に…!?状態ですよ。


わかるー。頑なに新しいことを受け入れられない人が居るんですよね。老若男女問わず。
かといって自動化ツールを入れたらメンテナンスの責任とかも問われるし、面倒くさいったらありゃしない。
…と、他人に苦言を呈する自分はどうなのかというと私も人の事は言えず、
こういうのはグラデーションなんですよ。
漫画の中にもそう書いてるんだから本当に凄いよこの漫画。

全体的に作者さんのバランス感覚がすごく良いなと感じまして
例えばビジネス横文字を使いまくる顧客が出てくる回があって
こういう人ってバカにするために登場させらる事が多い印象ですが、
この漫画では相手に寄り添って鶸田がビジネス横文字を使い出すんですよね。
で、最終的には鶸田が歩み寄りを見せた事で成功しているんですが
そこに至るまでに鷹野が奇跡的に誤解されている様子を見ると
実際の仕事も、ここまで極端じゃないけど
「勘違い」「思い込み」「詳しく聞くのは野暮(なので良いように解釈する)」は溢れてて
結局見た目の「できそう感」とか、耳障りの良いこと言っちゃうとかそのへんよね。評価されるのその辺よねって、ほんのり悔しい思いすらします。

お仕事漫画なのに登場人物が一生懸命仕事してないところも好感触というか。
それなりの仕事しかしない社員を経営者は咎めるんだろうと思いますが
鷹野ほどではないにしろそこそこ仕事するくらいでいいんだと思うんですよね。昨今は。
むしろ毎年スキルアップを要求しながら待遇や給与を1ミリも上げない経営者のほうが怠慢なのでは!?
と、逆ギレをかます姿勢で仕事に挑みたいなって思います。

中学校の時に、社会主義って頑張っても給料を上がらないから頑張らなくなって資本主義に負けたんだよ。的な事を教えてもらったんですが
久々にそれを思い出しました。
ギャグなのになんて深い漫画なんだ…と、感じるあたりも
鷹野マジックの一貫な気がしてきます。

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