Netflixで配信されているドラマ「クイーンズ・ギャンビット」が気になって1話見たところ非常に面白く、全話完走してしまいました。
1960年代のアメリカを舞台に、チェスの天才エリザベスの、8歳から22歳までを描いたドラマ。全7話。
漫画でよく見る天才ものって、仲間が居て、ライバルがいて
ライバルと競ったり妨害されたりしながら頂点を目指すようなものばかり見てきた気がします。
その視点でいくとクイーンズ・ギャンビットはちょっと異色で
天才の孤独が描かれているドラマでした。
そういえばイミテーション・ゲームもそうだっけ、私あれ大好きなんですよ。
まず冒頭で母を交通事故で亡くし、孤児になるエリザベス。
母親が死んだのに涙も流さないんですよ。
そして父はどこに行ったのか。
どちらも理由はおいおい判明します。
孤児院では精神安定剤の”緑のお薬”を配布しているんですが
これが幻覚を見せる副作用でもあるらしく、お薬にのめり込むエリザベス。
養子縁組が決まったものの、義父は2週間で出奔。
学校に通えばクラスメイトの話題について行けず
初めて異性と一夜を過ごした後、仲間も隣の部屋に居たのに、朝起きたらエリザベス一人残して残りのメンバー全員で映画を見に行った後なんですよ。
なんで誘わないの?声もかけないとか、ありえない仕打ちでは!?
しかしエリザベスはむしろ一人で生き生きしているようにも見えるんですよね。
私は家で一人音楽を聞いて酒を飲んで下着姿で踊るエリザベスがとても楽しそうに見えましたが
欧米感覚だと孤独なのかもしれません。
日本だと、ストイックにその道を極める人って尊敬されて、むしろ他の事に手を出そうとすると勝手に失望されたりするような印象がありますが
これも欧米感覚だと違うんですかね。
というのも、チェスばかりのエリザベスに、義母が「チェス以外の人生もある」と何度か言うのです。
エリザベスはチェスが好きでやってるんだろうし、才能あるし
いわゆる「普通の人生」なんて歩まなくていいんじゃないの?って思うんですけどね。
なおこの義母はエリザベスにとってとても良い母親だったのではないかと思います。
最初は良妻賢母を頑張って演じているように思えましたが、義父が出奔してエリザベスにチェスの才能があると分かってからは
自分も自由に、エリザベスにも寛容に、好きに生きてる感じがしましたね。
子供のお金で生活してるのどうなのか議論はありそうですが…
おそらく「普通の家庭」、父が居て、母が居て、友達と流行りの歌や芸能人の話をして、ボーイフレンドがいて、20代前半で(※1960年代の話なので)結婚して子供を産んで…
そういう生活に自分が身を置けない事が透けて見えるのがなんとも切ないんですよね。
そういう「普通」との違い、親のプレッシャーなどに苦しむエリザベスが最後どうなるのか。
私は最終戦はともかく、その少し前は涙腺崩壊しました。
ネタバレになるので言えないけど……いいわぁ。
ちなみにチェスの知識は全く不要。
盤面が全く映らない対局もあるくらいです。
対局の演出はオシャレで斬新。そして音楽がめちゃくちゃ良い。
個人的には全7話くらいが見やすくて良かったですね。
いやぁ、ネトフリオリジナル、クオリティ高いわ。
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