たまたま開いたAmazonで、オリンピア・キュクロスのアニメ…のような何かを見てしまいまして
うっかり漫画も買ってしまいました。
正直、映像を見る限り原作欲しいとは思わなかったんですけど
1話試し読みしたらやっぱりめちゃくちゃ面白くてですね、つい。
私は東京オリンピック非歓迎、もといスポーツイベントには良いイメージがなく
オリンピア・キュクロスを見たときには、ついに東京オリンピックのステマもここまで来たかとがっかりした気持ちになったんですけど
いざ読んでみると思ってたのの真逆、むしろ現代オリンピックの批判も含めた作品でした。
テルマエ・ロマエと比較すると、ルシウスがひたすら風呂を追求していた前作に対し、今作では人が表現することがテーマになっているような流れ。
主人公のデメトリオスは壺絵師で、絵を書くことが大好きなのに絵が下手。
一方で運動神経が抜群に良く、
自分に合っているオリンピック選手の道か、
自分が好きな絵の道か、
どちらを歩けばいいかを迷っている感じ。
デメトリオスの村の村長は、村の権威を上げることに執心していて
描きたい絵ではなく売れる絵を描け、
オリンピックも、名をあげるために出場しろ、と言うばかり
絵画も運動も、自分を表現するためのもので、権威やお金のためのものではないはずなのに…と、葛藤するデメトリオス。
……って、
作者のヤマザキマリさんて、生活のために漫画描き始めたかたではなかったかしら?
絵も音楽もなんでも、お金や権威や名誉のため「だけ」にやるのは本質を損なうけれど
お金がないとやっていけないという側面もあり
いつか作者のその手の話が入るのではないかと、今から心待ちにしております。
あと前作と比較すると、
言葉の壁とか文化の壁に驚くくだりはわりとカットされていて
現代から古代アテネにタイムスリップしてきた人も「実はギリシャ語喋れるんです」という設定が突然出てくるとか
タイムスリップも実に都合のいいタイミングだったり
多少都合のいい展開になっています。
ただ、そこを丁寧にやり始めるとテルマエ・ロマエと重複するし、この物語がやりたいのはそこじゃないと思うので
これでいいのかなと、慣れてくるとむしろ楽しい。
しかしこれ、2020東京オリンピックがコロナで延期されてしまったので、果たして今後どうなるのかなと。
私にも東京オリンピックを楽しみにする理由ができてしまいました。
というか、東京オリンピックのあとに描かれるオリンピア・キュクロスが楽しみ。
『オリンピア・キュクロス』スペシャルムービー
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