ようやく見始めたザ・クラウンシーズン3。
激烈面白いです。
振り返って思うと、シーズン1は女王という環境に慣れるのが精一杯で、舵取りの難しさみたいなものが描かれていたんだなと。
シーズン2はエリザベスとフィリップのピンチでまとまってたし。
そこにきてシーズン3は、舵取りも慣れてきてキャラクターや事件の掘り下げに注力できてる感じがします。
今シーズン冒頭では、イギリスの新しい首相にハロルド・ウィルソンが着任。
このウィルソンが、やけに有能なキャラクターとして描かれてるんですよね。
でも華やカリスマのあるタイプではなく、地味で、女王や周囲はウィルソンの事を色々疑ったり先走った発言に疑問を呈したりと少々軽んじられているように見えるんですが、
最後はウィルソンの言う通りになるし、女王にそれとなくアドバイスとかしちゃうし
有能サブキャラ補正が効いてます。
実際、ウィルソン首相は大きなスキャンダルもなく、
着実に仕事をされていたような感じです。とはいえ当時のことはさすがに存じ上げないので、Wikipediaを見るくらいしかできませんが。
そのウィルソン首相がちゃっかり失態を王室に擦り付ける(本人は否定)のと、女王の非人間的な様子が描かれたのがエピソード3。
1966年に発生した、アバーファン炭鉱崩落事故の話です。
石炭を掘った残骸でできた人工山が長雨で崩壊し、付近の小学校を直撃。
144名が犠牲になり、その殆どが小学生。アバーファンは一世代をほぼ失うという大惨事に見舞われます。
ここだけはザ・クラウンとは別の作品のようで、事故を見るのがとにかく辛い。
しかも冒頭で何の変哲もない一家の日常とか見せるんですよ。
明日も明後日も当たり前に続いていくのが当然とばかりに、普段どおりに生きてる様子が長々と映されるんですよ。
もうやめて!私のライフはとっくにゼロよ!
王室メンバーも、事故直後から悲惨さに胸を打たれて、「悲惨な事故の様子を見て私はこんなにつらい」という事を口にするんですが
エリザベスだけは心を動かされず、自分は冷たい人間なのだと自嘲しちゃう。
でもそれは人前で感傷に浸らないというだけの話。
今となっては、その時大きなショックを受けた誰よりも、エリザベス2世はアバーファンに慰問に訪れていると最後に注釈が入っていました。
事故直後に、同じ悲しみを共有する相手も必要かもしれないけど
その時は一歩引いて、でも長期間ずっと気にしてくれる相手も同じくらい必要で、どっちが良いとか悪いとかの話じゃないよねって。
なお、エピソード3で流れた賛美歌がこちら。
Jesus lover of my soul - Charles Wesley
日本語版も探したのですが、歌詞は同じでもメロディが別物みたいで、
日本語版は葬儀の時に流せるような感じのものではなかったです…
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