2019年12月26日木曜日

「心がこもってない」は受け手が決める事か?

私が年賀状を書かなくなったのは、送った年賀状にケチを付けられたのが原因です。
もちろん、メールが普及した=代替手段ができたというのも理由の一つですが。
hagaki_1mai.png
私は字が下手くそです。
全体的に不器用で、自分では頑張ったと思っても周囲はいつも「なんて酷い」と評価を下していました。
字に関しては、親も教師もクラスメイトからも汚い汚い言われ続けてきました。
私もね、お手本が隣にあり、1文字1分くらいかければまあまあの字は書けます。ペン字も習いましたし。

年賀状はそれなりに気を使ってゆっくり書いてたんですが
ガイドラインの無い場所にまっすぐな字を書くのも無理なら
サイズを揃えて書くのも無理だし
やっぱり字は汚いんですよ。


送った年賀状を見て、大学時代の知人は言いました。

「字が汚い。心がこもってない証拠」

この言葉は小学生から何度も何度も言われたことがありましたし
字が汚い自覚はあったので素直に申し訳ないな、と思ったんですよ。
でも自分なりに丁寧に時間を使って書いたし、心は込めたよ。
と言ったのですが取り合ってもらえず、
汚いというのはそれだけで罪なのだな。
と思った私、
次の年はパソコンで宛名印刷をすることにしました。

文句のつけようもない美しい文字、なんたって機械製だからな。
さぞ読みやすかろう。

と思ったのですが、
言われた言葉は

「パソコンを使って印刷するなんて、心がこもってない」

でして。
申し訳なさはさすがにムカつきに変わりましたね。

当時、はがき宛名印刷ソフトは存在していたとは思いますが購入しておらず
はがきの宛名側印刷はなかなか技術が必要でした。
何枚も試し刷りをして、結構試行錯誤を重ねたんですよ
綺麗な宛名を届けるためにどれだけの時間をかけたと思っているのか。
それを「パソコンだから心がこもってない」だと?

というか、手書きも嫌、プリントも嫌。
どうしろっていうのか。
何をすればこの人は満足するのか。
いや、そもそも私から送ったものに満足する気があるのか?

それなら私だって送るのが嫌だわ。


というわけで、そこから多分送ってないです。


何年後かの正月に、この話を従兄弟氏にしたところ
「ま、僕のパソコンは心がこもってるけどね。」
とドヤ顔をされ、
この人私の血縁者だな。としみじみ感じたものです。
まあ私が同じことを言うと屁理屈!ってさらに怒られるんですけど。

今となってはすっかり年賀状を送る相手もいなくなり
心がこもってない!なんて一方的にジャッジされることもなくなりましたが
「心がこもってる」って、受け取る側が何かをジャッジするための言葉じゃないよなぁって、今でも思ってます。

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