なぜ役者さんはあんなに頑張れるのだろう?
と、思うことがしばしあります。
「ジョーカー」の役作りのために23kg減量したホアキン・フェニックスしかり。
アクションやる人って本当に凄いなって思うんですよ
この間アクアマン見たけど、冒頭でアクションやってたニコール・キッドマンは51歳よ、51歳!(2018年公開時)
たった3kgも減量できず、腰が痛くてヨレヨレな私、
人間力のすべてにおいて違いを見せつけられてる気がします。
とはいえ彼らは世界のスター、黄金聖闘士なんだ、私はせいぜいスチール…いや段ボール聖闘士とか、聖闘士を名乗るなとかその辺ですよ。
アイ、トーニャでトーニャ・ハーディングを演じたマーゴット・ロビーなんかその筆頭ですね。
スケートシーンまで本人が演じたそうなのですが、
見事なスピン、見事なジャンプ。
昔フィギュアやってたのかな?とすら思います。
トーニャ・ハーディングは、アメリカで初めてトリプルアクセルを成功させた女子フィギュアスケート選手。
そしてライバルのナンシー・ケリガンを襲撃してけがを負わせた疑惑のある選手です。
当時のフィギュアスケートは、トーニャ本人の言葉を借りれば「古い女性像」を氷上で表現するものだったと。
映画の中でも審査員がトーニャに「アメリカの家庭を見せてほしい」と言っており、
まあ平たく言うとステレオタイプな古い女性像が求められていたと。
そこにきてトーニャの家庭ははっきり言って酷い。
トーニャを物のように扱い、口答えを許さない毒親。
殴った事は無いと言うけれど、漏らすまでトイレ禁止、ナイフ投げる、言葉の暴力など、いやそれ普通に虐待ですよってのがいっぱい。
そんな母親がトーニャに優しい言葉をかけるシーンもあるんですが
その時のトーニャの反応が、「あの母がこんなことを言うなんておかしい」という考えに基づくもので
そのトーニャの考えが当たってしまっているところに絶望を感じます。
トーニャは親からの愛を得られない、それが確定してしまった絶望感。
なお結婚したら夫もDV。
が、この映画は夫側の弁明もしっかり聞いていて、いやトーニャのほうがだいぶ酷かったとの証言もあり。
貧困で、親と夫から抑圧されていて、審査員にも「イメージが違う」という、競技外で判断されて苦しんで、
やり場の無い怒りと戦うトーニャを思わず応援したくなってしまいます。
まあただ、トーニャ自身にも思うところはありまして。
映画の中で何度か「私は悪くない」って言うんですよ。
そうか?って思うところも確かにあるんですよ。
もっとああしていたら、こういう方法を取っていたら、
そうはならなかったんじゃないか?
…と、言う余地は充分に残っていると思います。
でも、おそらくトーニャに人間としての優しさを教えてくれる人は現れなかった。
それを親ガチャの失敗や環境のせいだと言う事はできるかもしれないけど、
じゃあ親ガチャに成功してたら「アメリカらしい家庭的な女性」になってたんでしょうか?
それはそれで怖いね?
少なくとも映画の中のトーニャは他人の親を羨んでいるシーンは一切ない。貧乏を嘆いている場面はあれどできることを精一杯やってる。
配られたカードで勝負をするってこういう事だなと思います。
褒められない行動も多々あるけれど、人間としての強さはとても印象に残る映画でした。
分類はコメディらしいんですが
コメディなの?これ?
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