十二国記の新作を読み終わって、とりあえず「魔性の子」からもう一度読み返し始めました。
事前に予習してなかったので、新作読んでる最中、過去作を読みたくて読みたくて仕方なかった…
以下、ネタバレありなのでご注意ください
泰麒がひたすらかっこよかった……
泰麒が十二国に居たのはたった1年で、蓬莱では学生ですから、
国家運営のなんたるかを蓬莱で学ぶ機会は無かったと思うんですが、何十年、あるいは何百年と王宮で仙をやってきた人達に対して理を説けるという明晰っぷり。
おまけに計略を駆使して朝廷を牛耳っていくし、
意思の力でいろいろねじ伏せるし、殺生を嫌うはずなのに人を刺していくし。
麒麟の大前提が覆されたと言っても過言ではない。
一方で、煮え切らなさも残る話だったと思いました。
明言されていない謎がいくつか残ってしまっていたので。
特に琅燦。
阿選が言うには彼女こそ簒奪をそそのかした人物である一方で、玄管として民を助けてもいたらしく、
最終的には「敵ではない」と言われるものの、戴の悲劇を引き起こした張本人の一人であるわけで
こいつは何がしたかったんだ?と大いに疑問です。
あと妖魔のせいでどれだけの人が廃人になったかを思うと
心情的に受け入れがたいので、納得させてほしいという気持ちがどうしても。
恵棟を返してくれ。
あと終盤に向かうにつれて、残りのページ数が少なすぎてハラハラしました。
削って削って4冊になったとインタビューでは仰ってましたが
終盤もう少し手厚くしていただけたら…
項梁がすっかりフェードアウトしていたし、
肝心の驍宗vs阿選の決着が本編にないのも少し残念だったし…
こっちは「月の影 影の海」でも景麒を助けるところで終わっているので伝統なのかもしれない。
会ったら二人はどういう話をしたんでしょうね。
でも多分驍宗が直接阿選を討つ機会は無かったんだろうな。
この4冊分の物語が歴史書数行にまとめられているところもシリーズ伝統ですが、
極端に俯瞰されることで、十二国の歴史のほんの一部に過ぎないことが強調される気がします。
十二国記で後日譚が書かれることはあまり多くないのですが
その後、気になりますよ。
100年…せめて10年後くらいの慶や戴を見たいです。
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