シグマフォース隊員は出産・育児・介護に忙しい。
敵との緊張感あふれるやりとりをしている中、認知症の父が大変というSOSも入って父と電話する隊員。
司令官はさっさと現場に飛び出して、司令官代理を任されているのはいつ生まれてもおかしくない妊婦。
これが、ダイバーシティ…!
アメリカ人は家族を大切にするとは聞きますが、
それでも今までは、こういった個人的な事情を抱えるキャラクターってあまり見かけませんでした。
私も全ての物語を読んでるわけじゃないので、探せば介護に悩むヒーローは居るんだろうけど
マーベルキャラを例にしても結構親の死亡率高いし、兄弟の話も触れない場合が多い。
実子が居るキャラは居るのかな?
まあヒーローものはそういうの忘れて観たいって気持ちも分かる。
なお悪役にも同じ法則が当てはまって、
世界を滅ぼそうとしているその時に母から電話が来て「父さんが倒れたからすぐ病院に来い」とか言われたらギャグですよ。
世界レベルで何かやるには孤独じゃないとやってられないのかもしれない。
そこにきて、ギャグではなく個人の事情を入れてきたシグマフォース
改めて凄いと思う訳ですよ。
シグマフォース シリーズ⑥ ジェファーソンの密約 上 (竹書房文庫)
まあ、ようやく山場の交渉が終わったと思ったら留守電が入ってて認知症の父が大変とか聞かされると
別のメンタルが削られてぐったりしますけどね。
アメリカ建国に隠された謎は自分と全く関わりの無い世界ですが
そこから突然、自分の身にも降りかかるかもしれない親の介護問題を突きつけられるんですから、結構来るものがあります。
うわー現実帰ってきたーって感じ。
これが嫌な人もいるかもしれませんが、私は好きです。
グレイの父に関しては、「ユダの覚醒」で退場のチャンスがありました。
ギルドに病気の父を殺され復讐に燃えるグレイ!
みたいな展開だってできたはずなのに、
その道を避けて認知症が進行した父と共存しているわけですから
このままワークライフバランスをいかに取るかを見せていただきたいですね。
働き方改革は特殊部隊から!
肝心の本筋についての感想何も無かった。
今作では日本人物理学者とスーパーカミオカンデが登場します。
海外の人が書いたJAPANではなく、違和感なく読めるあたり凄いと思います。
まあ研究所内に枯山水があるのはJAPANっぽいですが、そのくらいはね。
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