kindle版が安売りしていた時に買ってしまいました。
マルクス・アウレリウス『自省録』 2019年4月 (100分 de 名著)
「自省録」はローマ皇帝マルクス・アウレリウスが記した哲学書というか、日記というか、名言集というか。
100分de名著は「自省録」から抜粋・解説をしたダイジェスト版のようなもので、「プロの解説付きだと理解しやすい」を地で行くシリーズだと思います。
この本の解説はアドラー心理学の専門家。
なのでアドラー心理学もからめての解説が多めでした。
ところで私、若い頃哲学って大嫌いだったんですよ。
それもこれも全部高校の時の授業が悪いんですけどね。
誰が何と言ったか、という暗記問題だったんですよ、全部。
で、意味も分からず「○○は万物の根源は水であると言った」と教えられたすぐ後に「○○は万物の根源は火であると言った」と言われて
何言ってんのこいつら?
としか思えませんでした。
哲学が幸せを考える学問だって、せめてあと10年早く知っていたら…!
と、悔やむばかりです。
過ぎてしまった過去を今から幸せにすることはできない。
まだ来ていない未来を今幸せにすることはできない。
よって、幸せになれるのは「今」しかない。
では今を幸せにするためにどうすればいいのか…?
しかしこの手の本って大体どれも同じことを書いてるんですよね。
心を平穏に保ち、
己の無知を自覚し、
他人に対して敬意を愛を持ち、
己の意識や見方を変え、
明日死ぬつもりで精一杯生きろ
それを今すぐやれ
みたいな感じの。
ついでに言うなら大体どこの宗教も隣人愛とか無欲とか似たような事を解いてます。
1900年前から人生を幸せに生きるための指針に回答があり、ブレてないはずなのに、何故人類は未だに幸せになれないんでしょうね。
本当にこの方向性で合ってるのかな?
あと時々こういった話に登場する無欲の境地は少し共感できないです。
こちらの本では、将来得られる予定のものは、まだ得られていないのだから失いようがない…といったような事が書かれております。
そうは言っても現代、大企業の正社員になれば(昔ほどではないとはいえ)それなりの給与を貰って人生安定する事を期待するし
いい大学に入れば大企業に入る確率が高くなる事を期待するし
そのためにいい高校、もしかしたら中学受験などなど、
辛くて苦しいお勉強をするのはこれら諸々の将来のためだと言い聞かせるわけじゃないですか。
なんらかの理由で未来が断たれて、得るはずだったものが得られないと考える事さえ捨てろというのは、
かなり無茶に聞こえます。
とはいえ、無理だったものはさっさと諦めて次に行く以外に本人が救われる道が無いのもまた確かなんですよね。
いつまでも自分が被害者だと思ってたらいつまでも不幸のままです。
あとは、そんな簡単に割り切れるか?って話なんですけど
あーやっぱりいやだわ、哲学。
痛い所を突いてくるから、怖いわ。
人生1回はがっつり向き合わなければならないんでしょうけれど。
私はチョコミントアイスを食べて「わー人生最大の幸せ!」とか言えるくらい浅い人生がいいです。
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