2019年7月24日水曜日

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

5年前の映画ですがようやく見ました。
20190724.jpg
エマ・ストーン超かわええええええええ

この映画に関してはインタビューを先に読んでいて
あらすじが主役を演じたマイケル・キートンの実生活に似ていることと、
でもそれを意識したのではなく、誰にでもバードマン=過去の栄光はいる。という点については予備知識としてありました。

私は逆なんですよね。
認められていて、そこから没落したのではなく
最初が底辺でカースト最下位なのに
ちょっと成績が良くなったり、ちょっとコネクションができたと見るや
周囲の人が見え透いたお世辞を言ってくる。

うわキモっ、て思いましたね。

なんで昨日まで悪口言ってた奴らがちょっと褒めたくらいで丁寧に接してやらにゃならんのだと。


バードマンでは、主人公がもう一度輝きたいと願うのですが
その成功で手のひら返した人達は、
主人公が成功者だから近づくのであって、賞味期限のある愛だけど本当にそれでいいの?と思ってしまうわけです。
「成功すれば、嘘の友達と本物の敵を得ることになる」の嘘の友達のほうですよ。
みんなマイクみたいな奴だよ?
いや仕事で成功を収めたいという気持ちは分かるんですけどね、
愛されたいから、という動機は脆くて怖い。
1年後くらいに勝手に「あいつは終わったな」とか言われてるんですよ。
病みそう。

いや病んでるのは私か。



別にこの映画で直接言われているわけではないのですが
小説とかでも、ことさら高尚な作品を褒め称えて、
一般ウケする娯楽作品は「地位の低いもの」とする空気というか、
そういうのがあるなぁって感じるんですよ。

で、この映画は、興行収入は良いが「地位の低い」娯楽作品をみんな求めてるんだろう?
でも俺は「本物の」芝居をするぜ。
みたいな話で、実際これに近いセリフもありました。

「本物の」○○。
その他は偽物であると言いたい時に使う言葉ですね。


小説でもよく聞くんですが、
高尚なものが偉くて賞を取って、
でも人気があるのはエンタメ性の高い面白いもので
だから大衆にはゲージュツは解せんのだ。
みたいなのって、正直好きじゃないなぁと思います。

この映画に関しても、肯定的な意見の方から玄人好み、映画好きかどうかのリトマス紙、本当に映画好きなら〜
という感想をちらほら見かけるので
ああ肯定的じゃない意見を愚かな大衆扱いか…という気持ちになりますね。


ああ批判だらけになってしまった。
ほぼドラムのみの音楽とワンカット演出は良かったです。
アカデミー賞ってアカデミックな賞でしたねそうでしたね。
私はゲージュツを理解しない大衆なので次からは興行収入で映画を選ぼうって思いました。

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