2019年6月7日金曜日

シグマフォースシリーズ「ユダの覚醒」感想

ユダの覚醒(上) (シグマフォースシリーズ)

面白かった前作よりもさらに面白い。いや、面白いというかすごく心に残る。
それは単に「面白い」というだけでなく、
今までのストーリーの中で最も身近に感じられる題材であり、
様々な人が大切なものを失う話でもあり、
最初の伏線がちゃんと回収されているからでもある。

なんかこう、引っかかるんですよね。
ストーリーとしての出来とかそういう話ではなく、身につまされるというか。



今回は、インドネシアで発生した疫病と、マルコ・ポーロが残した東方見聞録の失われた記述に関する話。
ある日グレイの家に負傷したギルドのメンバーセイチャンが助けを求めてくる。
グレイはセイチャンと共に、ギルドおよびシグマからも逃げる事態になる。

セイチャンはギルドのとある計画に反対したため、追われる身となったらしい。
その計画と、マルコ・ポーロの東方見聞録に書かれなかった帰路の災害についての謎が絡んできます。


一方で、インドネシアの疫病の対応に当たるリサとモンク。
今回はリサが主人公と言っても差し支えないというくらい活躍しています。


読了後の興奮がさめて、改めて冷静に考えると
気になる点もいくつかあります。
例えば登場人物が多くて味方キャラクターがコロコロ入れ替わることとか。
一部の敵キャラの影が薄くて「こいつ誰だっけ?」と思う事や
気になる敵役スリーナの背景が全く説明されず半端なところで終わっているなど
でもシリーズ初、最初の伏線を回収したと言えるのではないでしょうか。

今まで騎士団の話とか子供の話とか見てきたけど
彼らがその後どうなったのってフォロー少なかったからなぁ。

それの影響もあってラストまで綺麗にまとまってる感じがしました。
スリーナは後から登場するのかな?


あ、今回も恋愛脳は健在でした。
でもリサとモンクがだいぶ吸収してくれていたから嫌気はささなかったかな。
というか、今回のお相手はグレイとお似合いだと思います。
最終的に行きつく先はそこでは?と思ったり。


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