2019年5月15日水曜日

シグマフォースシリーズ「ナチの亡霊」感想

シグマフォースシリーズ3作目、「ナチの亡霊」を読みました。
前作はダ・ヴィンチ・コードのような遺跡めぐりと謎解きがありましたが、今作は科学を題材にした物語で、遺跡は出てきません。
一見して全く異なる2つの物語が、ストーリーが進むにつれて同じものを追いかけていると判明し、
徐々に一つの物語に収束していく、まさにミステリー的なミステリーという感じになっています。
ナチの亡霊(上) (竹書房文庫)
ナチの亡霊(上) (竹書房文庫)

物語の一つはヒマラヤに近い僧院で、謎の奇病が発生した話。
アメリカ人医師のリサは僧院から診察を求められ、現地に向かうが
そこには僧を抹殺しようとする勢力が潜んでいた。


そしてもう一つはコペンハーゲン。
ダーウィンが所持していた聖書がオークションにかけられる事になったが
その調査を行っていたグレイ・ピアースは何者かに命を狙われる。


単に敵vs味方の対決ではなく、一時は敵対した勢力と共闘する事になり、
その過程で、最も手ごわい敵が抱える事情なんかも分かったりして
ああ、こういうの好き。
単に敵として出てくる時はバックグラウンドも無く単に「スゲー強い冷血で厄介な敵」としか扱われないのに、
視点が変わると、実は隠された苦悩とか家族愛とかがチラっと見えるの。
すごく好き。


シグマフォースは科学と歴史の両面から問題を解決していくストーリーですが、
「ウバールの悪魔」と「マギの聖骨」は、ラングドンシリーズと結構似ているように感じました。
しかし今作ではシグマフォースの科学っぷりが存分に発揮されており、
グレイとペインターの2人が主人公として活躍しており、
組織の物語だという利点も十分に生かしているので
ラングドンシリーズとは別の魅力を持った作品であると見せつけられる気がします。

ラストの方はやっぱりファンタジーっぽくなるんですが、それもまあこのシリーズらしいというか、
「高度に発達した科学は魔法と見分けがつかない」なアレと言われれば高度に発達した科学だと…言えなくもない?
まあフィクションなんだし細かい事は置いておこう。


次の作品も面白くて既に読み終わっているので
さらにその次が楽しみです。

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