前も言いましたが、ラングドンシリーズが大好きです。
そのラングドンシリーズとわりと似たストーリーのものを探し続けていたのですが、ついに見つけました。
ジェームズ・ロリンズの「シグマフォースシリーズ」
もっと早く教えてよGoogle先生!
という感じでした。
シグマフォースとは、アメリカの国防高等研究計画局(DARPA)に属する仮想の特殊部隊。
アメリカ陸軍の特殊部隊デルタフォースにちなんでつけられているようです。
大英博物館に陳列されていたオマーンの歴史遺物が大爆発を起こす。
爆発の原因が反物質にあると知ったデルタフォースは
現地に調査官ペインター・クロウを派遣する。
歴史遺物は、伝説の都ウバールの入り口を開ける鍵と言われており、
大英博物館の職員サフィアとペインター・クロウは、仲間を伴ってオマーンの遺跡を調べに行く。
おおおおーーこれはもう素晴らしくラングドン的!
遺跡!謎!反物質!!
あえて比較すると、主人公にあたるラングドン教授は宗教象徴学の専門家であるのに対し、
ペインター・クロウは歴史や化学に詳しい軍人という立ち位置なので
象徴についての話題は控えめです。
アクションシーンも多いですが、殴った蹴ったの描写ではなく、相手の手を読みあう心理戦のほうが多くて読みごたえがあります。
科学的に見せかけて、結構ファンタジーな設定もあったりして
他人から見えなくなる能力を説明する時に
「他人の精神に作用して」
と、「あ、それで解決させるんだ」と思うような部分もあったりします。
まあ用語だけ半端に取り入れた解説するより賢いやり方ですけどね。
際立つのは主人公ペインター・クロウの完璧人間さです。
顔はハンサム、頭脳明晰、冷静沈着。
性格は至って善良。
誰も止められない暴れ馬をさっと止めてしまうような見せ場もあり、
ペインターのいい男アピールが端々に見えます。
でも物語を面白くするためには主人公はピンチに陥らなければいけない宿命。
完璧人間が主人公だと、脇役(主にヒロイン)がヘマする役を引き受けて主人公を立てる、みたいなパターンが多いのですが
それの何が辛いかってヘマする役を引き受けた人にヘイトが集まるのが見てて辛い。
ちょっとした欠点って大事だと思いますね。ストーリー設計的に。
ウバールの悪魔では、それを解決するために戦闘面ではど素人のもう一人の主人公サフィアを用意し、
更に敵役をペインターの元相棒にすることで、
完璧なペインターだけど手の内は読まれてるぞ、という高度な読みあいを楽しめます。
でもこれ次回作からどうするんだろう?と思ったら
次回作は主人公が違うようで。
まだ読み始めたばかりですが、スタンドプレイ気味の血気盛んな若者が主人公でした。
日本での刊行は次回作「マギの聖骨」が最初だったそうです。
「ウバールの悪魔」から登場人物が引き続くので、「ウバールの悪魔」を最初に読むほうがすんなり入ると思います。
「マギの聖骨」は映画化の話が進んでいるらしいので
今から読んでおかないと。
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